フランス刑余者支援の実際

9 / 10 〜 9 / 17 まで刑余者支援の国際比較プログラムの一貫としてフランスの施設視察に行ってきた。いろいろお世話してくれたフランスの友人に感謝感謝。

NPO法人を中心とした視察でフランスの現状がいろいろ見れて勉強になった。ヨーロッパと聞くとなんだか発展しているように思うけど、実際に抱えている課題や支援の仕組みはほぼ日本と一緒というイメージだったなあ。移民の問題があるのでむしろバルネラブルな人々に関する理解は日本のほうが進んでいる印象も。

大きな違いは労働障害者という概念。フランスでは、一時的な病気や職務不適応なども障害の「状態」という理解をするらしく、日本における失業給付や傷病手当が充実した支援の対象にもなっている。一方ではこの支援がスティグマとなっている現状もあるらしい。またここでもフランス語の喋れない移民への支援が課題となっているみたい。そういう意味では、就労支援と福祉支援との間には溝がある印象。

フィールドワークも充実していた。パリでは、セーヌ川に浮かぶデイホスピタルAdamants、ピネルで有名なビセトール病院、サンテ刑務所などを見学した。アポなしだったので詳しい話は聞けていないけど、患者さんの家族と知り合ってビセトール病院の中はいろいろ案内して貰った。また、地方都市のVannneでも、地元の精神病院とかも見れてよそ行きでない部分を見れたのは良かったなあ。

帰りは台風で大分まで帰れず福岡泊を余儀なくされる。最後まで大変だった。このたびはいろんなトラブル続きだったけど、なんとかそれを乗り越えて帰って来れたので安心安心。

写真は、パリビセトール病院のモニュメント。ピネルの時代の収容施設の名残り。