第27回–精神専門1

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問題1 精神疾患の診断分類と発症要因に関する次の記述のうち, 正しいもの1つ選びなさい。
1 統合失調症は, 心因性精神障害に分類される。
2 双極性感情障害 (躁うつ病) は, 神経症の一類型と考えられる。
3 症状性精神障害とは, 脳の器質的変化によって生じる精神障害をいう。
4 精神疾患の発症について, 「脆弱性一ストレスモデル」が提唱されている。
5 DSM5は, WHOが作成した診断基準である。

「今年はやらない」て言っていたのですが, なんとなくテンションが上がったこともあり (Blogについてポジティブなメッセージがあって) ちょっともう一年だけやろうかなあと思ったりし始めました。ちょっと諸事情あってかなり忙しくなりそうなので今までみたいに一日一問は難しいとは思うのですが, できるかぎりやってみようと思います。専門科目だけでもできればいいなあ。

さて, 精神疾患と治療の最初の問題です。この問題は比較的簡単だったので解いておきたかったですね。

選択肢1 誤り。こちらの問題でも説明しましたが, 精神疾患は大きく分けて「心因性」「内因性」「器質性・症状性」に分類できます。統合失調症は内因性の精神疾患なので誤りですね。リンク先も必ず確認しておいてください。

選択肢2 誤り。選択肢1のリンク先にも書いてありますが, 双極性感情障害は内因性の精神疾患です。神経症は, 心因性のものなので誤りですね。

選択肢3 誤り。症状精神病は, 脳神経系以外の身体疾患に基づく精神障害です。例えば, 甲状腺機能の低下, 向上などによってうつ,躁のどちらの症状も出ますし, 糖尿病や肝臓の障害などでも結果として精神症状が出現する場合もあります。脳の「器質的変化」は, 例えばアルツハイマー病などによる脳萎縮などのことを示します。

選択肢4 正答。ストレス脆弱性モデルとは, 発症しやすい素因と, ストレスが組み合わさった場合, 人間は精神疾患を発症するという精神疾患発症のモデルのことで標準的に使用されています。

選択肢5 誤り。これもよく出題されます。DSMは患者の精神医学的問題を診断する際の指針を示すためにアメリカ精神医学会が定めた精神障害に関するガイドラインで多軸診断ができることもあり世界各国で利用されています。

WHOが作った診断基準は, ICD-10です。非常によく出題されるので確認しておきましょう。

一問目終了。あと79問かー。

 

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