第27回–共通科目83

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問題83 事例を読んで, 次の記述のうち, Aさんの行為で最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕Bさん (90歳, 男性) は, 数年前に成年後見開始審判を受け, Bさんの甥であるCさんがBさんの成年後見人に就任している。Cさんは, 親身になってBさんの面倒を見ているものと思われていたが, Bさんの妹であるAさんがBさんから預金通帳を見せてもらったところ, 2か月間にBさんの預金から600万円ものお金が払い戻されており, Bさんはそれについて全く知らないとのことである。
1 地方裁判所に対して財産保全の申立てをする。
2 最寄りの警察に告発する。
3 後見監督の行使を求めて, 家庭裁判所へ相談する。
4 Bさんの通帳から残りの預金を引き出して保全する。
5 銀行に対して責任を追及する。

これも成年後見に関する問題ですね。誤りの選択肢から削っていけば解けた問題かなあと思います。

選択肢1 誤り。Aさんは, 妹ではありますが後見人はCさんなので, いきなり財産保全ってことは難しいのではないでしょうか。

選択肢2 誤り。警察に告発するというのは最終手段という印象ですね。まずは成年後見人制度における手続きに則って行動すべきではないでしょうか。

選択肢3 正答。このようなケースでは, 裁判所の権限で後見監督が可能です。問題が生じたことを見つけたAさんが裁判所に後見監督の行使を依頼するというのが現実的な方法だと思います。

選択肢4 誤り。Bさんの通帳の管理をする権限はこの段階ではAさんにはありません。

選択肢5 誤り。銀行にそれを言ってもねえ。。

さて権利擁護と成年後見人制度もおしまい。今年の問題は例年に比べると比較的難易度は低かったと思います。科目の名前の通り成年後見に関する問題が多かったですね。

今日はここまでー。明日総括しておしまいです!

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