第28回-共通科目5

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問題5 高齢者にみられる病態の特徴に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 皮膚の湿潤は, 褥瘡の発症リスクとなる。
2 フレイル (虚弱) は, 慢性疾患の終末期の状態である。
3 感音難聴では, 低い昔から聞こえにくくなる
4 変形性膝関節症は, 廃用症候群に属する。
5 記憶障害では, 短期記憶よりも長期記憶が低下する。

さて, 今日もがんばりましょう。高齢者に関する問題もかなり頻出です。この問題も比較的難度は低そうです。褥瘡は二回目の出題ですね。

選択肢1 正答。皮膚を保護している皮脂膜が取り除かれることで, 皮膚のバリア機能が損なわれてしまうため, 湿潤は褥瘡のリスク要因になります。その他, 栄養不良, 基本的動作能力, 浮腫などがリスク要因となります。

選択肢2 誤り。あまり聞きなれない言葉ですが, フレイルとは, 健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態を指します。その基準として, 体重減少, 疲れやすさ, 活動量低下, 歩行速度の低下, 筋力低下などが挙げられています。こちらのページがわかりやすいですね。

選択肢3 誤り。感音難聴とは, 感音器(内耳・聴神経)の部分に機能障害がある場合に起こります。この場合には高い音から聞こえなくなります。一般に高齢になるに従って高い音から聞こえにくくなると言われています。低い音から聞こえにくくなるのは低音性難聴と言い, 片耳のみで20代から40代の女性に多く見られます。

選択肢4 誤り。変形性膝関節症とは, 膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となって, 膝の関節に炎症が起きたり, 関節が変形したりして痛みが生じる病気です。高齢の女性に多い疾患です。廃用症候群とは, 過度に安静にすることや, 活動性が低下したことによる身体に生じた状態をさしますので誤りですね。

選択肢5 誤り。短期記憶とは, 比較的短い,秒単位の時間しか保持されない記憶のことです。一方, 長期記憶とはリハーサルを繰り返すことによって短期記憶を永続的に覚えている状態になったものと言われています。高齢になるに従って短期記憶の能力が衰えていくことが知られています。

 

カテゴリー: 第28回共通科目, 人体の構造と機能及び疾病 パーマリンク