第28回-共通科目14

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問題14 心理療法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 自律訓練法は, 筋肉を漸進的に弛緩させる技法である。
2 認知行動療法は, 転移関係についての解釈と洞察が重要である。
3 家族療法のシステムズ・アプローチでは, 家族間の関係性の悪循環を変化させる。
4 来談者中心療法は, 夢分析を行い無意識の意識化を促進させる。
5 精神分析療法は自己認知の変容のために認知再構成法を用いる。

心理療法に関する問題もほぼ毎年出題されていますので, しっかり覚えておきましょう。毎年この14問目で出題されていますね。

選択肢1 誤り。自立訓練法に関する過去の問題はこちらです。自律訓練法は, ドイツのシュルツが創始した催眠療法の1つです。心身をリラックスさせ, 自律神経の働きのバランスを回復させることを目標にしています。選択肢は, 「体の緊張を取り除き, 心のリラックスを得るヤコブソンの漸進的筋肉弛緩法ではないでしょうか。

選択肢2 誤り。認知行動療法もよく出題されています。過去の問題はこちら。認知行動療法では, ものの考え方や受け取り方(認知)に働きかけて, 気持ちを楽にしたり, 行動をコントロールしたりする治療方法です。この治療では, 間違った認知を学習されたものとして扱い, 認知の再体制化を目指します。転移関係についての解釈と洞察と言えば, 精神分析療法の説明ですね。

選択肢3 正答。家族療法はシステムズアプローチに基づいた考え方ですね。家族を, 個々の成員が互いに影響を与えあうひとつのシステムとして考えると, 家族成員に生じた問題は, 単一の原因に起因するものではなく, 互いに影響を与え合う中で, 問題を維持する原因と結果の悪循環を描いていると考えていく。そうすると, 実際に症状を抱えて方は, 患者ではなくIP(Identified Patient;患者と見なされた人)という考え方になります。過去の問題はこちら

選択肢4 誤り。これも過去に何度も出題されていますね。来談者中心療法ロジャースが提唱したものです。彼は, カウンセラーの基本的態度として, 自己一致無条件の肯定的配慮, 共感的理解の三つを挙げました。ロジャースはカウンセリングの技法として, 受容, 感情の反射, 明確化などの技法を提唱し, この技法は現在でもカウンセリング技法の核となっています。夢分析はユングの精神分析療法で行われたものです。

選択肢5 誤り。精神分析療法は, クライアントに自由連想法によって自由に語ってもらい分析していく精神療法です。フロイトが創始者です。選択肢は認知行動療法の説明ですね。

 

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