第28回-共通科目15

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問題15 ウェーバー (Weber, M.) の支配の諸類型に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 合法的支配とは, ある私的な関係に限って認められたルールに基づく支配体制である。

2 官僚制による支配とは, 権力者の恣意的な判断や決定による支配体制である。
3 カリスマ的支配とは, 非日常的な資質の持ち主によって成立する支配体制である。
4 家父長制的支配とは, 家業を遂行する経営的な能力に基づく支配体制である。
5 伝統的支配とは, 過去に制定された法に基づく支配体制である。

さて新しい科目。ウェーバーの支配に関する問題も頻出です。ウェーバーは, 支配の類型をカリスマ的支配, 合法的支配, 伝統的支配に分類しました。

選択肢1 誤り。合法的支配は, 「形式的に正しい手続で定められた法規に従って命令権が行使され,またその合法性のゆえに法規を遵守することが要請される支配と服従の関係のこと。 」で近代の支配類型はこれに当たります。選択肢は「私的な関係に限って認められたルール」の部分が異なっているように思います。

選択肢2 誤り。ウェーバーは官僚性の性格として, 規則による規律の原則, 明確な権限の原則, 明確な階統構造の原則, 行政手段の分離の原則, 文書主義の原則, 任命制の原則, 資格任用制の原則などを挙げています。つまり, 最も合理的なルールを厳密に決めて恣意的な判断の余地をなくすのが官僚性の本質なので, 選択肢にある「権力者の恣意的な判断や決定による支配」とは異なると考えられます。

選択肢3 正答。カリスマ的支配とは, 人びとはカリスマの資質ゆえに服従するというモデル (ヒトラーとかもそう)です。

選択肢4 誤り。 家父長的支配とは, 父系の家族制度において, 家長が絶対的な家長権によって家族員を支配・統率する家族形態です。ウェーバーこんなこと言っていないような気がしますが, どれかに当てはめるとすれば伝統的支配になるかなあ。

選択肢5 誤り。伝統的支配は, 伝統の神聖さにもとづくものです。例えば王国と, 宗教とかはこれに当たるのではないのでしょうか。

 

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