第28回-共通科目18

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問題18 日本の人口動向に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 少子化は, 合計特殊出生率が人口置換水準を長期的に上回る状態をいう。
2 1966年 (昭和41年) には, 乳児死亡率 (出生千対) が10を下回った。
3 2013年 (平成25年) の平均寿命は, 男女とも85歳を上回っている。
4 全人口に占める65歳以上人口の割合は, 2013年 (平成25年) には20%を超えている。
5 全人口に占める65歳以上人口の割合が7%から14%に上昇するのに, 40年以上を要している。

これまた統計的な問題ですね。社会システムは最近人口関係の統計ブームです。ある程度の知識があれば考えて解けた人も多いんじゃないかな。

選択肢1 誤り。合計特殊出生率は「一人の女性が一生に産む子供の平均数」のこと, 人口置換水準は「人口が長期的に増えも減りもせずに一定となる出生の水準」の数です。単純に考えると, 夫婦で一生添い遂げるとして, 2名の子供がいれば人口が変わらないです。ただ病気などで早く無くなってしまう人もいるので, 現在の人口置換水準は2.07であるとされています。つまり, 合計特殊出生率が2.07を超えていないとどんどん人口が減っていく社会, つまり「少子化」であると言えるわけです。日本の合計特殊出生率は, 第1次ベビーブーム期には4.3を超えていましたが, 1950(昭和25)年以降急激に低下し, 2005(平成17)年には過去最低である1.26まで落ち込んでいます。選択肢は「上回る」ではなく「下回る」ですね。

選択肢2 誤り。乳児死亡率は, 1000人あたりの死亡率を示すものです。医療の発達に応じて下がっていくことはいうまでもありません。日本も戦後は高い時期もあって, 1955年時点では, 39.8, 1965年には18.5でした。10人を割ったのは1976年ですね。現在の日本の乳児死亡率は1000人出産当たり2人(0.2%)で世界でも以上に低い水準です。ちょっとマニアックな問題なのでこれを選んでしまった人も多そうです。

選択肢3 誤り。これはよくニュースなどで見るのでわかった人も多そうです。女性は85歳を超えていますが, 男性は80歳を少し超えているだけで, 5歳の開きがありますね。平均寿命は戦後一貫して上昇しています。

選択肢4 正答。総務省統計局のページを見ると, 平成25年現在推計で, 高齢者人口の総人口に占める割合は25.0%となり, 人口, 割合共に過去最高となっています。

選択肢5 誤り。グラフを見るのが苦手なのですが, およそ20年で, 7%から14%に上昇しています。一度高齢化が進み始めると非常に早いペースで高齢化が進んでしまうことがわかりますね。

さて, 今日もあと1問!

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