第28回-共通科目19

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問題19 社会集団に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 ゲマインシャフトとは, 本質意思に基づく結合が解体した, 近代以降の社会集団である。
2 インフォーマルグループとは, メンバーの親密な相互関係を通じて形成される集団である。
3 第一次集団とは, 家族や親族などの第二次集団とは異なる, 会社や学校などの社会集団である。
4 コミュニティとは, 特定の関心を共同して追求するために設立された, 人為的な機能集団である。
5 アソシエーションとは, 地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。

僕が国家試験を受けたのがだいたい15年くらい前なのですが, 同じような問題が何年も出続けるなあという感じですね。この問題はサービス問題だと思います。

選択肢1 誤り。ゲマインシャフトをコトバンクからコピペ「テニンニースはゲマインシャフトを最も本来的,自然的状態としての人々の意志 (→本質意志 ) の完全な統一体,すなわち,あらゆる分離にもかかわらず本質的に結合し続けている社会とみなし,家族 (血縁社会) ,村落 (地縁社会) ,中世都市 (友情社会) の3つを典型的形態とした。 」とあります。まあ簡単に言うと, 特に目的があるわけでもなく, 生きるために一緒にいるのが自然な集団のことをゲマインシャフトという考えればいいと思います。選択肢はゲゼルシャフトの説明です。

選択肢2 正答。これは悩みましたが, これしかないかな。インフォーマルグループは, メンバーによって自然発生的につくられ, 明確な目標よりも, むしろお互いの好意的感情によって結びついているグループのことです。現代社会においては, 好意的感情がなくてもインフォーマルグループは存在しそうにも思えますが。

選択肢3 誤り。クーリーによって提唱された集団の概念の説明です。第一次集団と第二次集団を反対にした安直な問題ですね。クーリーさんは「鏡に映った自我」という概念を提唱した人としても有名です。彼は, 他者との相互作用という点に着目し, 他者の振る舞いを考慮することによって形成される自我を社会的自我と名づけました。

選択肢4・5 誤り。両者の説明が逆になっていますね。マッキーバーは社会構成を分析するために,血縁,地縁などにもとづいて成立する集団としてのコミュニティと,構成の様々な関心にもとづいて成立する利害関係的集団としてのアソシエーションとを考え,両者が複雑に絡みあっていることを示しています。

今日はここまでー。連休中もどんどん更新しちゃいます!

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