第28回-共通科目59

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問題59 事例を読んで, F君が利用できる「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕F君 (9歳, 男児) は, 自閉症を伴う知的障害があり, 特別支援学校小学部第3学年に在学中である。以前, 障害福祉サービスの利用を申請し障害支援区分3 (行動関連項目の合計点は10点) の認定を受けていたが, 現在, サービスは利用していない。最近になって, 時々激しい自傷行為や物を壊す行動がみられるようになり, 両親は, F君が日常生活を安全に過ごす方法として障害福祉サービスの利用を検討している。
1 生活介護
2 重度訪問介護
3 療養介護
4 同行援護
5 行動援護

これは近年よく出題されているサービスの内容を問う問題です。比較的簡単なので, 絶対解いておかないといけない問題ですね。
満18歳以下の障害児が障害福祉サービスを利用する場合には, 必要に応じて児童相談所の意見を聴取したうえで, ショートステイ, 同行援護, 行動援護, 重度障害者包括支援, 重度訪問看護などを利用することができます。

選択肢1 誤り。生活介護は, 常に介護が必要な障害者に昼間に施設で排せつ, 食事の介護や日常生活上の支援, 創作的活動等の機会を提供し, 身体能力, 生活能力の維持・向上を目指すものです。Fくんの場合は児童なので, こういうサービスを使用する場合には, 児童発達支援センター等に障害児を保護者のもとから通わせて, 日常生活における基本的動作の指導, 独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練を提供を受ける児童発達支援などが適切だと思います。

選択肢2 誤り。重度訪問介護は, 重度の肢体不自由者, 知的障害者, 精神障害者で, 常に介護が必要な障害者に, 自宅で入浴・排泄・食事の介助を行ったりするものです。区分が4以上の障害者に対してのサービスなので児童のF君は使えないと思います。

選択肢3 誤り。療養介護は, 医療を必要とする障害者で常に介護の必要な場合, 長期入院による医学的管理の下で, 食事, 入浴, 排泄の介護を提供するもので, ALS, 筋ジスの患者さんが対象となります。

選択肢4 誤り。これはよく出題されます。重度の視覚障害者に対する移動援護が同行援護なので事例には合致しません。

選択肢5 正答。行動援護は, 知的障害や精神障害により行動が困難で常に介護が必要な障害者に, 行動するときの危険を回避する援助や外出時の移動の補助を行うもので, 区分3以上, 行動援護項目8点以上という要件があります。事例にしっかりフィットした社会資源だと思います。

はい。今日はここまでー!!

カテゴリー: 第28回共通科目, 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 パーマリンク