第28回-社会専門89

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問題89 アクションリサーチに関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 研究対象について, 非参与的に観察し研究を行うものである。
2 質的調査が用いられ, 質問紙調査のような量的調査は用いられない。
3 目的は, 科学的な因果関係の検証である。
4 計画, 実施, 事実発見の循環が, 基本プロセスとして提唱されている。
5 調査を通じて得られた知見を実践活動と結びづけてはならない。

アクション・リサーチはレビンが提唱した参与型の研究で, 社会活動で生じる諸問題のメカニズムを解明し,得られた知見を社会生活に還元して現状を改善することを目的とした実践的研究のことを言います。よく出題されますねえ。

選択肢1 誤り。「非参与的」とはできるだけ客観的という意味なので, アクションリサーチとは真逆になります。アクションリサーチでは, 積極的に参与しながら研究をすすめていくものです。

選択肢2 誤り。これ過去問でまったく同じ問題がでていましたね。質的なアプローチをメインとしながらも質問紙調査, 実験なども含めて総合的に行います。

選択肢3 誤り。これもまったく同じ問題です。目的は科学的な因果関係を証明するのではなく, 価値志向的立場で, 問題解決を目指していくことが重視されます。

選択肢4 正答。選択肢は少し説明不足な点もあると思いますが, これ以外は全て誤りなのでこれが正答で問題ないと思います。

選択肢5 誤り。むしろ積極的に知見を実践活動に結びつけていこうというのがアクション・リサーチの特徴です。まあどのような研究でも「知見を実践に結びつけてはならない」研究なんてないと思いますけどねえ。

今日はここまでー。

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