第28回-精神専門3

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問題3 ICD-10における精神および行動の障害に関する次の組合せのうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 症状性を含む器質性精神障害 —広汎性発達障害
2 統合失調症, 統合失調型障害および妄想性障害—急性一過性精神病性障害
3 気分 (感情障害) —統合失調感情障害
4 神経症性障害, ストレス関連障害および身体表現性障害—摂食障害
5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群—性同一性障害

この問題は選択肢は外せるけど結構ノーチャンスかもしれないなあ。なかなかこの回答は選べないよねえ。
WHOの疾病分類であるICD-1oでは, F00-F99を「精神及び行動の障害」と分類しています。

選択肢1 誤り。症状性を含む器質性精神障害とは, 認知症や脳の疾患, 損傷などを原因とする精神疾患が分類されます。広汎性発達障害は, 「心理的発達の障害」に分類されていますね。

選択肢2 正答。急性一過性精神病性障害とは, 継続的に症状が続く統合失調症とは違って, 心理的なストレスによって突然発症し, 短期間でその症状が収まるものです。これは, 一時的に統合失調症のような幻覚妄想状態になることもあり, ICD-10では「統合失調症, 統合失調型障害および妄想性障害」に分類されています。

選択肢3 誤り。統合失調症感情障害は, 統合失調症の症状に明白な躁病あるいはうつ病の症状の両方が同時に混在している状態です。これは「統合失調症, 統合失調型障害および妄想性障害」に分類されます。

選択肢4 誤り。摂食障害は, 「生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群 」に分類されます。これを選んだ人が多かったんじゃないかなあ。

選択肢5 誤り。性同一性障害は「成人の人格及び行動の障害」に分類されます。

さて, あと1問!

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