第28回-精神専門7

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問題7 向精神薬とその作用に関する次の組合せのうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 炭酸リチウムー抗てんかん作用
2 定型抗精神病薬ードーパミン受容遮断作用
3 非定型抗精神病薬ーアセチルコリンエステラーゼ阻害作用
4 三環系抗うつ薬ー選択的セロトニン再取り込み阻害作用
5 ベンゾジアゼピン系抗不安薬ーヒスタミン受容体遮断作用

おおなんか久しぶりにがっつりお薬の問題かな?僕が受験した頃は毎年の様に出題されていたので, 未だに覚えています。これはちょっとむずかしいかなあ。。

選択肢1 誤り。リチウムは商品名で言うとリーマスですね。過度に高揚・興奮した精神状態を鎮め, 情緒を安定させる作用をもつ薬で躁状態の治療に使用されます。抗てんかん薬としては, フェニトイン, カルバマゼピンなどが有名ですね。

選択肢2 正答。このページからコピペです。抗精神病薬には大きく分けて定型抗精神病薬といわれる従来型抗精神病薬と, 非定型抗精神病薬といわれる新規抗精神病薬の2種類があります。従来型抗精神病薬はドパミンのみを抑制する作用をもち, 第一世代の抗精神病薬と呼ばれています。従来型抗精神病薬はドパミンの働きを強力に抑制するため, 中脳辺縁系という部分に作用することで陽性症状の顕著な改善が得られます。

選択肢3 誤り。非定型抗精神病薬はドパミンだけでなくセロトニンやその他の神経伝達物質への作用をもっており, 第二世代の抗精神病薬と呼ばれています。新規抗精神病薬は, 下記 の2つの作用によって陽性症状に対する効果はもとより, 錐体外路症状などの副作用の発現が少なく, また, 従来型抗精神病薬で改善が得られない陰性症状や認 知機能障害に対しても効果が得られることがあります。アセチルコリンエステラーゼ阻害作用は, 認知症薬に含まれている作用です。

選択肢4 誤り。うつ状態に関する薬物としては, 三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬・SSRI・SNRIなどが効果を及ぼします。その中でも選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) とは抗うつ薬の一種で, シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状の改善を目指す薬です。従来型の抗うつ薬と比較的副作用が少ないと言われています。

選択肢5 誤り。抗ヒスタミン薬は, 受容体の部位でヒスタミンと競合的に拮抗し, その作用を特異的に遮断する薬で, H1ブロッカーとH2ブロッカーです。アレルギーのお薬で有名ですが, 三環系抗うつ薬にも同様な作用があります。ベンゾジアゼピン系薬剤は, 抗不安や睡眠薬として使用されるものです。

さてもう一問。

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