第28回-精神専門8

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問題8 次のうち, 社会生活技能訓練 (SST) で用いられる技法として, 正しいものを1つ選びなさい。
1 モデリング
2 系統的脱感作
3 催眠
4 絶対臥褥
5 共感的理解

毎年のように出題される内容を組み合わせたタイプの問題ですね。いろんな自分の問題からコピペしてきます。しっかり復習しておきましょう。

選択肢1 正答。SSTはリバーマンによって確立された認知行動療法の1つで, 日本においては1994年に「入院生活技能訓練療法」として診療報酬化されています。基本的な技法としては, (1)モデリング→(2)強化→(3)シェイピング→(4) 般化 が挙げられます。ロールプレイの中で練習したことを宿題として出すことで技能の般化を目指します。

選択肢2 誤り。系統的脱感作法は代表的な行動療法で, ウォルピによって体系化されました。古典的条件づけとオペラント条件づけがその理論的根拠ととなります。これは, ざっくりいうと, 不安障害などの患者さんに「危なくないよー。不安なんてないよー」ってことを再学習してもらうような治療法です。不安階層表, 逆制止, エクスポージャーなどの治療法を用いるのが特徴的です。

選択肢3 誤り。催眠療法は, 催眠誘導という手法を使って, 普段閉じている潜在意識の扉を開け, 潜在意識の中に注意を向けていく心理療法です。

選択肢4 誤り。出ました森田療法。森田療法は森田正馬が創始した日本独自の精神療法です。主に, 神経症性障害を治療の対象にしています。その治療プロセスは, 絶対臥褥→軽作業期→作業期→社会生活準備期と続きます。

選択肢5 誤り。共感的理解はロジャースの来談者中心療法のキーワードですね。ロジャースはカウンセラーの基本的態度として, 自己一致と無条件の肯定的配慮, 共感的理解の三つを挙げました。ロジャースはカウンセリングの技法として, 受容, 感情の反射, 明確化などの技法を提唱し, この技法は現在でもカウンセリング技法の核となっていると言ってもいいと思います。

さて今日はここまでー。

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