第26回-社会専門94

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問題94 アドボカシーに関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 利用者の権利を主張し, 必要なサービスを要求する実践であり, その権利を擁護するためにまず法的手段を行使する。
2 福祉サービスの提供者が利用者のアドボカシーを行うことは, 所属する機関への利益相反行為に当たり, 専門職倫理から逸脱する。
3 マイノリティなど, 特定のグループに属する人々の利益を主張, 代弁する活動は行わない。
4 利用者の権利が侵害された状態が調整や交渉によっても解決しない場合は, 福祉施設, 行政機関などとも対決する。
5 利用者にとって最適な選択を専門的見地から決定し, 利用者を説得する。

この問題も精神でよく出てくる問題ですねー。こちらに今までの問題がまとめてあるので見ておいてください。
アドボカシーは, 「政策提言」や「権利擁護」と訳される用語です。社会的・法的に弱い立場に置かれ, 権利侵害行為の対象となっている人たちの復権を目的として生まれた実践理念です。

選択肢1 誤り。「まず法的な」という部分がおかしいでしょうねー。最終的にそうならざるを得ない場合もありますけど。。

選択肢2 誤り。利益相反とは, 読んで字の如く, 一方の利益が, 他方への不利益になる状況のことを言います。例えば, 施設に対し利用者が「設備を整えてくれ!」と要求した場合には, 施設としてはどうしてもお金がかかってしまうわけです。社会福祉士の倫理綱領では, 「利用者の利益を再優先に考える」とされています。また「 社会福祉士は, 他の専門職と連携し, 所属する機関の機構やサービス提供の変更や開発について提案しなければならない。」とありますのでこれは誤りですね。

選択肢3 誤り。社会的に弱い立場にあるマイノリティに対してこそ積極的なアドボカシー活動が求められます。ちなみに, 特定の層に対して行う活動のことをクラスアドボカシーといいます。

選択肢4 正答。「対決」という言葉はかなり選びにくい用語ですが, 最終的には, 法的手段もふくめてアドボカシーを行っていく必要があります。他の選択肢とのバランスを含めてこれしか選びようがありませんねえ。

選択肢5 誤り。アドボカシーは利用者の権利擁護のために「代弁」するものです。決して説得するものではありませんね。

さあ今日もあと2問!

カテゴリー: 第26回社会専門科目, 相談援助の基盤と専門職 パーマリンク