第27回-社会専門149

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問題149 Aさんは, 社会福祉士の資格を活かして, 保護観察所に社会復帰調整官として採用された。社会復帰調整官としてかかわることになった「医療観察法」上の業務に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
1 社会復帰調整官は, 「医療観察法」上の審判の際に行う生活環境の調査を, 地域社会の実情に詳しい保護司に行わせる。
2 社会復帰調整官が指定入院医療機関に出向き, 対象者の退院後の生活環境の調整を行う。
3 指定入院医療機関退院後の居住予定地にある精神保健福祉センターが開催するケア会議に, 社会復帰調整官として出席する。
4 対象者が, 「医療観察法」に基づく指定通院医療機関に通院中は, 「精神保健福祉法」による入院はできない。
5 精神保健観察の「守るべき事項」に違反すると, 保護観察所の長の決定により, 再入院の措置がとられる。
(注)
1 「医療観察法」とは, 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
2 「精神保健福祉法」とは, 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のこと

医療観察法も2年連続。これは毎年のように出されるのかなー。
社会復帰調整官は, 保護観察所に勤務し,精神障害者の保健及び福祉等に関する専門的知識に基づき,心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰を促進するため,生活環境の調査,生活環境の調整,精神保健観察等の業務に従事する専門職です。

選択肢1 誤り。生活環境の調査は, 保護観察所長の指示の下、社会復帰調整官が行います。審判にかかわる生活環境の調査なので, 委嘱ボランティアである保護司にそれを委託することは考えられません。

選択肢2 正答。審判によって入院処遇が決定された場合には, 指定入院機関に入院となります。指定入院機関は, 30床程度の小規模の病棟において,対象となる人の症状の段階に応じ,人的・物的資源を集中的に投入し, 手厚い医療を提供するものです。退院時には, 社会復帰調整官が指定入院医療機関に出向き, 対象者の退院後の生活環境の調整を行います。

選択肢3 誤り。通院処遇となった場合には, 継続的な医療を確保するため,保護観察所の社会復帰調整官が,必要な医療を受けているかどうかや本人の生活状況を見守り,必要な指導や助言を行います (精神保健観察)。この際に行うケア会議は, 保護観察所長が開催します。

選択肢4 誤り。指定入院医療機関に入院している期間中は,精神保健福祉法の入院等に関する規定は不適用ですが, 通院処遇中は, 精神保健福祉法と医療観察法の双方適用となります。例えば, 医療観察法で通院処遇を受けている方でも, 精神保健福祉法に基づくサービスを利用することも可能ですし, 入院することも可能です。

選択肢5 誤り。守るべき事項として, 居住地を届け出ることや, 保護観察所から面接を求められたときには,これに応ずることなどが定められています。この事項が守られない場合には, 再入院の措置が取られることもありますが, これは地方裁判所の決定によるものです。

ふむ。今日は調子がいいですねー。あと一問ーー!

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