第26回–共通科目21


問題21 貧困の概念と測定方法に関する次の記述のうち正しいものを2つ選びなさい。
1 ラウントリーが労働者の総収入に注目し明らかにした第一次・第二次貧困の考え方は, 後に最低生活費の考え方の基礎となった。
2 タウンゼントは, 物理的生存に最低限必要な生活費との比較で相対的貧困を定義した。
3 所得格差の指標として使われるジニ係数は, -1から+1までの値をとる。
4 我が国の政府は, 2009年(平成21年)以降, OECDと同様の計算方法で算出した貧困率を公表している。
5 「平成20年所得再分配調査」(厚生労働省)によれば, 我が国の再分配所得のジニ係数は1999年(平成11年)以降, 0.5前後で推移している。

おお, ちょっと現代社会的な問題ですね。この問題は比較的難易度が低い問題だと思います。こちらを参考にしました。

選択肢1 正答。ラウントリーヨーク市の貧困調査で貧困線の考え方を提唱した人で, この貧困線は後の生活保護水準の考え方にも大きな影響を与えています。第一次貧困とは,世帯の総収入が,家族全員の肉体的能率を維持するための最小限度にも足りないほどの貧困であり (食うにも困る),第二次貧困とはその収入の一部が他の費途に転用されないかぎり,たんなる肉体的能率を保持できる程度の貧困をさす(食うだけでぎりぎり)。貧困調査に際しては, ブースによるロンドンの調査についても覚えておく必要がありますね。

選択肢2 誤り。タウンゼントは貧困を相対的剥奪の観点から定義した人です。この相対的剥奪は, 人が抱く不満は, その人の置かれる境遇の絶対的な劣悪さによるのではなく, 主観的な期待水準と現実的な達成水準との格差による, という考え方です。

選択肢にある, 「物理的生存に最低限必要な生活費との比較」は絶対的貧困の説明だと思います。相対的貧困とは, ある地域の中で生活水準が他と比べて低い層または個人を差します。

選択肢3 誤り。こういう細かい数字が出ると混乱しますねえ。ジニ係数は0-1です。社会における所得分配の不平等さを測る指標で, 分布が平等であれば0に近づき, 不平等であれば1に近づきます。

選択肢4 正答。これは難しい。こちらから抜粋。

“”2010年10月, 民主党の長妻昭厚生労働大臣が, 政府として初めて貧困率を発表し, にわかに注目を浴びることとなった。07年の国民生活基礎調査(対象年は06年)を元に, OECDの計算式で算出した数値で, 日本の相対的貧困率は15.7%, 子ども(18歳未満)の相対的貧困率は14.2%。OECD加盟30か国の平均値10.2%を大きく上回る結果となった。””

→相対的貧困率が高いって聞くとなんだか日本やべえってなりますけど, 貧困の指標となる統計は結構複雑です。興味のある人はこちらのBlogが参考になったので読んでみてください。

選択肢5 誤り。これもかなり厳しい。。。選択肢3で説明したようにジニ係数は所得格差の指標となります。このジニ係数はさらに当初所得のジニ係数と所得再分配のジニ係数に分類できます。なんかいろいろ出てきて混乱しますが, 簡単に言うと, 当初所得のジニ係数は, 給料の格差を示し, 所得再分配のジニ係数は国の社会社会福祉・社会保障の効果を示す指標となります。日本においては所得再分配のジニ係数は0.3前後で推移しているので選択肢はあ誤りですね。

この問題は難しかったです。今日はここまでー。

 

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