第27回–共通科目4

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問題4 多発性脳梗塞に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 アルツハイマー型認知症に特異的な病態である。
2 嚥下障害はない。
3 情動失禁はない。
4 パーキンソン症候群の原因になる。
5 振戦せん妄が認められる。

これは微妙ですけど, 消去法でなんとか解けた人が多いのではないでしょうか。多発性脳梗塞とは同時に複数の脳血管が小さな血栓によって詰まり脳梗塞の症状を示す病気です。

選択肢1 誤り。アルツハイマー型認知症は, 脳萎縮が原因となっているので脳梗塞とは違ったメカニズムで生じますね。多発性脳梗塞はむしろ脳血管性認知症のほうに多い病態だと思います。

選択肢2 誤り。嚥下障害は, 多発性脳梗塞を含む脳梗塞全般において代表的な後遺症の1つであり, 脳梗塞直後の患者さんの30~40%にみられます。

選択肢3 誤り。情動失禁とは, 感情のコントロールがつかず, すぐに泣き出したり, 怒ったりする症状です。脳梗塞の後遺症としては代表的な症状ですね。

選択肢4 正答。多発性脳梗塞では, 認知症やパーキンソン病などの機能障害を後遺症として引き起こす可能性が高いと言われています。

選択肢5 誤り。振戦せん妄良く出るなあ。アルコール依存症の離脱症状時に出現する振戦せん妄は, 重度のアルコール依存症の方が飲酒を中断して後数日に不安・興奮・発汗・頻脈・手の震え・幻覚・意識障害などの症状が現れます。

今日もあと二問がんばろうー。

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