第25回-共通科目72

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我が国の診療報酬制度に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 診療報酬の点数表を改定するには, 健康保険法の改正を必要とする。
2 医科の外来診療報酬については, 病院ど診療所で共通の点数表となっている。
3 DPC制度 (DPC/PDPS) は, 入院1件当たり診療報酬包括支払制度である。
4 診療報酬の改定の基本方針及び個々の具体的な点数の設定は, 社会保障審議会において決定されている。
5 診療報酬と介護報酬の同時改定は, 4年に1回行われてきている。

診療報酬に関する問題です。ちょと難問だったのではないでしょうか。

選択肢1 誤り。診療報酬の改訂は厚生労働大臣が中央社会保険医療協議会に諮問の上決定されます。法改正は必要ありません。ちなみに診療報酬には医科診療報酬歯科診療報酬調剤報酬があります。

選択肢2 正しい。1994年までは, 診療所と病院ごとに甲乙で診療点数表が分かれていましたが, 現在は一本化されています。

選択肢3 誤り。DPC制度(1日当たりの包括評価制度)は, 平成15年に導入された, 急性期入院医療を対象とした診療報酬の包括評価制度です。詳しくはこちら

選択肢は入院1件となっているので, 正しくは一日あたりですね。この制度の開始前の試行開始後の検討で, 同じ疾患であっても患者によって入院期間のばらつきが大きく, 1入院当たりの包括評価制度と比較して1日当たりの包括評価制度の方が, 在院日数がばらついていても包括範囲点数と実際に治療にかかった点数との差が小さいことや, 1日単価を下げるインセンティブが存在すること等が示されたため, 一日あたりが採用されています。
ちなみに, 包括と出来高の違いについては, こちらがわかりやすいですねー。結構面白い内容です。チェックしてみてください。

選択肢4 誤り。選択肢2ともかぶる内容ですが, 今後も出題の可能性があるので改めてチェックしておきましょう。診療報酬の改訂にあたっては, まず社会保障審議会がその基本方針を決定します。その後, 具体的な点数を中央社会保険医療協議会が議論し, 最終的には厚生労働大臣が決定します。

ちなみに社会保障審議会とは, 厚生労働省に設置された審議会の一つで, 厚生労働大臣の諮問機関という位置づけです。社会保障制度全般に関する基本事項や, 各種の社会保障制度のあり方について審議・調査し, 意見を答申する役割を持ちます。また, 中央社会保険医療協議会は, 健康保険制度や診療報酬の改定など(2年に一度)について審議する厚生労働相の諮問機関で中医協と略称されます。

選択肢5 誤り。これは比較的簡単な問題でした。診療報酬の改訂は原則2年に一度, 介護報酬の改訂は原則3年に一度です。ということは両者の同時改訂は6年に一度ということになります。

今日はここまでー。

 


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