第26回-精神専門21

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問題 21 精神保健福祉士法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 法の目的は, 精神保健福祉士の資格を定め, その業務の適正化を図ることで精神障害者の社会的復権を目指すことと規定している。
2 精神保健福祉士は, 資質向上の責務として相談援助に関する知識及び技能の向上に努めなければならないと規定している。
3 精神保健福祉士は, 精神障害者やその家族の信用を傷つけ, その人間としての尊厳を侵してはならないと規定している。
4 精神保健福祉士が信用失墜行為をした場合, 1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されると規定している。
5 精神保健福祉士は, 5年に一度の厚生労働省が定めた研修を受けなければならないと規定している。

さて, 新しい科目ですね。精神保健福祉士法は科目に関わらず毎年の様に出題されています。簡単に覚えていると悩みますが, しっかり理解していれば簡単な問題に感じると思います。

選択肢1 誤り。第一条の「目的」においては, 「精神保健福祉士の資格を定めて, その業務の適正を図り, もって精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進に寄与することを目的とする。 」とあります。

重要なのは, 精神障害者の福祉の増進のみならず, 精神保健の向上も入っていることです。精神保健福祉士は, 精神障害者の社会的復権のためだけに存在するのではなく, 国民全体の精神保健の向上にも資することが求められています。

選択肢2 正答。2012改正時に41条2項に資質の向上の責務として「精神保健福祉士は, 精神保健及び精神障害者の福祉を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため, 相談援助に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。 」と追加されています。これは解いておきたいですね。

選択肢3 誤り。これは誠実義務のことでしょうか。38条2項の誠実義務では「精神保健福祉士は, その担当する者が個人の尊厳を保持し, 自立した生活を営むことができるよう, 常にその者の立場に立って, 誠実にその業務を行わなければならない。 」とされています。

選択肢4 誤り。信用失墜行為に対する罰則は登録の取り消しのみです。ここら辺はなかなか理解が難しいのですが, 基本的な罰則規定には

1)登録取り消し

2)一年以下の懲役又は30万円以下の罰金

の2種類があります。このうち登録の取り消し事案としては, 39条の信用失墜行為, 41条の連携の責務となります (相対的取り消し事案)

一年以下の懲役又は30万円以下の罰金の対象となるのは, 秘密保持義務, となります。ちなみに, クライアントの利益を侵害するために, 一年以下の懲役又は30万円以下の罰金という規定があるのですが, 同時に資格に対する信用失墜行為にも当たるので, 登録の取り消しも行われます。

上記の2種類以外には, 精神保健福祉士に登録している人が該当しないので忘れがちですが, 名称独占に違反した場合には30万円以下の罰金になることにも注意ですね。

選択肢5 誤り。精神保健福祉士には更新規定はありません。これはあってもいいと思うんですけどねえ。

今日はここまでー。

 

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