第26回–共通科目63

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問題63 2001年度 (平成13年度) 以降の生活保護の全国的な動向に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 被保護世帯及び被保護人員ともに2008年のリーマンショックを契機に増加に転じた。
2 医療扶助費の生活保護費全体に占める割合は, 他法の医療制度の充実により, この間, 大きく減少する傾向にある。
3 保護廃止人員は, 一貫して増加している。
4 保護受給期間別の被保護世帯数の推移をみると「3年〜5年未満」が一貫して多い。
5 世帯類型別にみた被保護世帯の構成比をみると, 「その他の世帯」の割合が大きく増加している。

さて新しい科目です。非保護世帯の内訳や経過についてはよく出題されるので解いておきたい問題でしたね。ちょっと古いですがこの資料が分かりやすかったです。

選択肢1 誤り。生活保護世帯は平成4年から一貫して増加傾向にあります。リーマンショックも影響は与えているとは思いますが, 選択肢は「契機に」と書いてあるので間違いだと思います。

選択肢2 誤り。医療扶助費の生活保護全体に占める割合は近年50%前後で推移しており, 大きく減少しているとは言えないと思います。

選択肢3 誤り。こちらの資料を参考にしてください。保護廃止に関しては一貫した増加はしていません。

選択肢4 誤り。ちょっと古めの資料ですが, こちらが参考になります。グラフを見てもらえば分かりますが, 全体としては10年以上の長期受給者が多かったですが, 近年1〜3年の短期間受給者が上昇して逆転しています。

選択肢5 正答。こちらを見てみると, 確かにその他の割合が増加しているのが分かります。生活保護の世帯類型は, 高齢者世帯, 母子世帯, 傷病・障害者世帯・その他に分類されます。この世帯類型は, いわゆる稼働能力が比較的低い類型なので, 「その他」が増えているということは稼働能力がある人の非保護者世帯が増えているという見方もできるかもしれません。

今日はここまでー。のんびりやっていきましょう。

カテゴリー: 第26回共通科目, 低所得者に対する支援と生活保護制度 パーマリンク