第26回–共通科目70

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問題70 事例を読んで, 後期高齢者医療制度に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
長い間農業に従事し, 現在無職のDさん (80歳, 男性) は, 認知症を発症し, その治療のため精神科を, その他に耳鼻科, 内科を受診している。Dさんは年金以外の収入はなく, 息子夫婦と孫と合わせて5人で生活しており, 息子夫婦は共働きの民間企業のサラリーマンで, 標準的な所得の家庭である。

1 Dさんは息子夫婦の被扶養者であるから, 後期高齢者医療制度の保険料を負担しなくてよい。
2 Dさんが医療機関を受診すると, 被扶養者なので一部負担金を3割支払うことになる。
3 Dさんのように治療が多岐にわたるなど一部負担が一定額を超えた場合後期高齢者医療制度の一部負担は高額療養費制度の対象となる。
4 Dさんが死亡しても, 後期高齢者医療広域連合は葬祭の給付や葬祭費を支給することはない。
5 後期高齢者の療養給付には, 食事の提供, 光熱費や環境に関する生活療養も含む。

後期高齢者医療制度の問題ですね。これは結構複雑なので理解するのに時間がかかる内容ですが, 一度理解 しておけば結構解ける問題が多くなります。こちらのページを参考にしてください。

選択肢1 誤り。世帯単位で保険料が計算される国民健康保険とは異なり, 後期高齢者医療制度では75歳以上 (一定の障害がある場合には65歳以上)の個人単位で保険料が計算されます。ちなみに保険料はほとんどの場合は介護保険と同様に特別徴収 (年金から天引き) となります。保険料は年間60000円程度ですが, 減免制度などがあります。

選択肢2 誤り。自己負担は, 1割 (現役なみ所得の場合3割)ですね。後期高齢者医療制度については, 個人単位での加入なので扶養という概念はありません。

選択肢3 正答。後期高齢者医療制度についても高額療養費制度の対象となります。こちらを参考にしてください。入院の場合には同一世帯の合算もありますね。

選択肢4 誤り。後期高齢者医療制度に加入した時から, 必然的にその他の医療保険からは脱退することになります。国民健康保険には保険給付以外に出産一時金, 手当金, 傷病手当金, 葬祭費等がありましたが, 後期高齢者医療制度の性格上これらのうち葬祭費のみが規定されています。

選択肢5  誤り。後期高齢者医療制度に限らず, 光熱費, 食事費 (ホテルコスト) は自己負担です。これらは, 標準負担額として段階的に規定されています。

今日は調子がいいのであと1問やります!!

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