第26回–共通科目78

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問題 78 事例を読んで, 介護保険事業者・従事者の法的な義務と責任に関する次の記述のうち, 適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Fさんは, S法人の居宅介護サービスを受け, S法人のG訪問介護員がFさんを担当している。Fさんには, 軽度の認知症があり, 嚥下能力も落ちてきて, 食事介助のときにむせ込むことも多くなっている。また, Fさんの甥がFさんのお金を無断で使っているようである。

1 G訪問介護員はFさんの食事介助を担当しているだけなので, 食事介助中にFさんが転倒してけがをしたとしても, S法人に法的な責任が生じることはない。
2 G訪問介護員がとろみ食など食べやすい食事を提供していれば, Fさんが誤嚥して窒息しても, S法人に法的な責任が生じることはない。
3 Fさんが担当のG訪問介護員を変えてほしいと主張したため, S法人が一方的に訪問介護契約を打ち切ったとしても, S法人に法的な義務違反が生じることはない。
4 G訪問介護員が, 事業所内で上司に対し, 甥がFさんのお金を無断で使っているのではないかと報告しても, 秘密保持に関してG訪問介護員に法的な義務違反が生じることはない。
5 G訪問介護員が, Fさんの介護サービスの提供に関して, 記録を作成することを怠ったとしても, S法人に法令上の義務違反が生じることはない。

この問題もよく出題されますねー。一問ずつチェックしましょう。こちらのページを読めばほとんど分かりそうです。きれいにまとまっているいいサイトですねー。

選択肢1 誤り。訪問介護員は, 介護の専門家なので食事介助中のFさんの安全保持の義務がありますね。G訪問介護員に故意又は過失があった場合には, 不法行為責任が問われる可能性があります。となると, 必然的に法人は使用者責任が生じますよね。

選択肢2 誤り。これは微妙な文章ですね。「とろみ食など食べやすい食事を提供していれば」というのが誤りだと思います。それに加えて安全保持義務があるので, G訪問看護員の故意又は過失があった場合には, 業務上過失致死傷罪の適用になると考えられます。

選択肢3 誤り。医療や福祉サービスについては正当な理由なくサービス提供を拒む事は許されません。事例の内容が正当な理由とは言えないだろうとは思います, 当初の契約で, そのように同意できていれば不可能ではないかもしれませんが。。。

選択肢4 正答。虐待に関する通報については守秘義務に優先します。虐待には身体的虐待, 心理的虐待だけではなく経済的虐待も含まれますね。

選択肢5 誤り。運営基準上, 介護サービスの提供に関する記録は, その完結の日から2年間の保存が義務づけられています。

今日はここまで。よし一日二問。やろうと思えばなんとかなりますねー。

カテゴリー: 第26回共通科目, 権利擁護と成年後見制度 パーマリンク