第27回–精神専門4

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問題4 状態像と症状に関する次の記述のうち, 正しいものを2つ選びなさい。
1 躁状態では, 自分のものではない考えが勝手に浮かんでくる。
2 心気状態では, 外界に対する現実感が喪失する。
3 恐怖状態では, 特定の対象や状況へのおそれが生じる。
4 解離状態では, 感情が平板化し活動性が低下する。
5 緊張病状態では, ある姿勢をさせるとその姿勢を保ち続けることがある。

このタイプの問題は結構頻度が高いので改めてチェックして起きましょう。似た様な問題のこちらも確認してください。

選択肢1 誤り。これは先ほどのリンク先とまったく同じ問題ですね。「自分のものでない考えが次々頭に浮かぶ」のは思考吸入の説明だと思います。躁状態では, 「話や思考が飛躍し拡散していく」観念奔逸などの症状が出現します。

選択肢2 誤り。 心気状態とは, 医学的に病気とは考えられないのに, 心身の不調にとらわれている状態です。「外界に対する現実感が喪失する」のは離人症の説明ではないでしょうか。

選択肢3 正答。例えば先端恐怖とか, 閉所恐怖とか。。

選択肢4 誤り。これは結構迷いました。解離状態は, ストレスのために思考や感情などの精神機能の一部が自己から切り離された状態を示します。この状態は感情の平板化と思えなくもありませんが厳密には違います。おそらく出題者は, 統合失調症の陰性症状として使用していると思います。

選択肢5 正答。緊張病型の統合失調症では, 姿勢保持などの症状がみられることがあります。

この問題は今回の精神疾患の中では一番難しかったかもしれませんが, 過去問をしっかり理解していればなんとかなったのではないでしょうか。

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