第27回–共通科目9

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問題9 パーソナリティに関する次の記述のうち, 特性論の説明として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 エス・自我・超自我の区別と相互作用説は, 特性論の一つの証拠となっている。
2 体格や価値に基づく生活様式などの違いでカテゴリー化し, 特性をとらえる。
3 外向性・神経症傾向・誠実性・調和性・経験への開放性から成るビッグファイブ (5因子説) は特性論の一例である。
4 典型例が明示され, パーソナリティを直感的・全体的に把握するのに役立つ。
5 パーソナリティ全体をいくつかの層の積み重なった構造としてとらえる。

おー特性論でましたー。僕の教え子は解けたはず!!全体としても比較的簡単なのでしっかり復習しておきましょう。

選択肢1 誤り。フロイトは精神の機能に着目して, 人間の精神機能を「エス(イド)」「自我」「超自我」という三つの機能の相互作用として捉えようとするものと考えました。これは特性論とは直接の関係はないと思います。

選択肢2 誤り。特性論は, 性格はいろいろな特性の寄せ集めた結果という考え方のことです。選択肢は類型論の説明ですねー。類型論では, 典型的な性格像をもとに, 人それぞれの多様な性格を分類しようとしたもので性格の理解が直感的に容易にできるという長所がある一方, ステレオタイプにつながりやすいという問題点も抱えています。

選択肢3 正答。人を形作る特性が何種類あるのかといった研究は多く重ねられていますが, 近年の研究では概ね5因子に収縮されるという知見が重ねられています。これがビッグファイブですね。ビッグファイブでは人が誰でも多かれ, 少なかれもっている特性として,
外向性 (Extroversion)  , 神経症傾向 (Neuroticism) , 開放性 (Openness)  ,
協調性 (Agreeableness)  誠実性 (Conscientiousness)  の5つが挙げられています。

選択肢4 誤り。これは類型論の説明ですねー。

選択肢5 誤り。特性論では, 所持している特性のバランスという考え方なので層をなしている構造とは考えていないのではないでしょうか。

今日はあと一問!!

 

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