第27回–共通科目22

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問題22 貧困及びニードのとらえ方に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 タウンゼント (Townsend, P.) は, 貧困者には共通した「貧困の文化 (culture of poverty) 」があることを明らかにした。
2 リスター (Lister, R.) は, 「ノーマティブ・ニード」に加えて, 「フェルト・ニード」を提案した。
3 ルイス (Lewis, O.) は, 「相対的剥奪」の概念を精綴化することで, 相対的貧困を論じた。
4 ブラッドショー (Bradshaw,J.) は, 絶対的貧困・相対的貧困の二分法による諭争に終止符を打つことを目指した。
5 スピッカー (Spicker, P.) は, 「貧困」の多様な意味を,「物質的状態」,「経済的境遇」及び「社会的地位」の三つの群に整理した。

さて新しい科目。出ましたねー人名問題。今年は少なかったみたいですがやはりたまーに出題されます。これは互い違い問題かな??

選択肢1・3 誤り。互い違い問題でしたねー。タウンゼントは, 相対的剥奪の概念を説明した人です。この相対的剥奪は, 人が抱く不満は, その人の置かれる境遇の絶対的な劣悪さによるのではなく, 主観的な期待水準と現実的な達成水準との格差による, という考え方です。貧困の文化はルイスの説明ですね。これは, 貧困者が貧困生活を次の世代に受け継ぐような生活習慣や世界観を伝承しているという点に着目し, たんなる経済的側面に焦点をあてる政策問題では解決しないことを示した内容です。

選択肢2・4 誤り。これも互い違い問題でしたねー。ブラッドショーはニーズを4つに分類しましたが, ざっくりというと, 専門家側の視点から捉えたニーズを「ノーマティブニーズ」, 対象者側から捉えたニーズをまとめて「フェルトニーズ」と考えることができます。また, 貧困の分類として, 生活水準が他と比べて低いという相対的貧困と, 生活水準が絶対的な意味で低い絶対的貧困という二つの概念があります。リスターの講演資料がアップされていたので見てみてください。面白いです。

選択肢5 正答。消去法でこれが正答です。結局選択肢の中で2つがわかれば自然と解ける問題だったみたいです。スピッカーは過去にはあまり出題されていないと思いますが, この選択肢は覚えておいたほうが良さそうですね。

この問題も予約投稿です。僕は今頃はちょっと旅行に行っている予定ですね。大分で温泉巡りしてきまーす!

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