第28回-共通科目45

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問題45「平成27年版地方財政白書」 (総務省) に基づく2013年度 (平成25年度) の市町村の民生費に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 目的別歳出のうち, 民生費の割合は総務費の割合より少ない。
2 目的別歳出の民生費のうち, 老人福祉費の割合は児童福祉費の割合より少ない。
3 目的別歳出の民生費のうち, 市町村の歳出額は都道府県の歳出額より少ない。
4 民生費の性質別内訳をみると, 扶助費の割合は人件費の割合より少ない。
5 民生費の目的別扶助費の状況をみると, 補助事業の割合は単独事業の割合より少ない。

おお民生費の内訳。ここで基本的な用語については特別に解説していますが, データは少し古いかもしれないので原典をあたってみましょう。

選択肢1 誤り。地方公共団体の経費は, その行政目的によって, 議会費, 総務費, 民生費, 衛生費, 労働費, 農林水産業費, 商工費, 土木費, 消防費, 警察費, 教育費, 災害復旧費, 公債費等に大別することができます。この中で最も大きいのは民生費で全体の約25%になります。民生費は, 地方自治体の歳出において福祉などに支出される費用のことを示します。

選択肢2 正答。これは過去問と同じ内容です。児童福祉行政に要する経費である児童福祉費が最も大きな割合(30.6%)を占め, 老人福祉費(24.1%), 障害者等の福祉対策や他の福祉に分類できない総合的な福祉対策に要する経費である社会福祉費(24.1%), 生活保護費(16.9%), 非常災害によるり災者に対して行われる応急救助, 緊急措置に要する経費等の災害救助費(4.3%)の順となっています。

選択肢3 誤り。都道府県が7兆5218億円に対し, 市町村は18兆8276億円と市町村のほうが大きくなっています。まあ単純に考えても, 都道府県の数よりも市町村の数のほうが圧倒的に多いので総額で言うと市町村のほうが大きくなるのは想像できたのではないでしょうか?

選択肢4 誤り。民生費の性質別内訳を見ると, 児童手当の支給や生活保護に要する経費等の扶助費が最も大きな割合(約50%)を占めています。人件費は全体の7.4%とかなり低い数字ですね。

選択肢5 誤り。単独事業と補助事業を比較すると圧倒的に補助事業のほうが多いですね。補助事業は, 地方公共団体が国から負担金又は補助金を受けて行う事業です。一方地方自治の観点から, 地方公共団体は,国の法令の範囲内であれば,地方単独事業として独自の取り組みを行うことができますが, まだまだ割合としては補助事業のほうが多いのが現実です。

うむ。やっぱりこの科目しんどい。

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