第28回-共通科目75

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問題75 救急医療の場面において, 医療ソーシャルワーカーが医療ソーシャルワーカー業務指針にのっとって行う業務に関する次の記述のうち, 適切なものを2つ選びなさい。
1 患者の身元が不明な場合には, 警察に通報する義務がある。
2 患者が医療費の支払いに困窮している場合には, 福祉, 保険等関係諸制度を活用できるように援助する。
3 患者が医療上の指導を受け入れない場合には, その理由となっている心理的・社会的問題の解決に向けて援助を行う。
4 継続治療が必要な場合には, 同一病院での入院を推奨する。
5 家族が混乱している場合には, 治療内容を説明する。
(注) 医療ソーシャルワーカー業務指針は, 平成14年11月29日に改定されたものである。 (厚生労働省健康局長通知)

さて, この科目も今日でお別れしちゃいましょう。
医療ソーシャルワーカー (MSW)とは, メディカルという名が表すように, 保健医療機関において, 社会福祉の立場から患者さんやその家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決, 調整を援助し, 社会復帰の促進を図る業務を行う存在です。国家資格化はされていないので社会福祉士や精神保健福祉士が活躍している例もかなり多いので限りなく社会福祉士と近い存在です。ただあくまで民間資格なのに, ここ数年よく出題されるけどなんか政治的な動きがあるのかなあ。。
業務指針の原本はこちら。この問題は常識的に考えていけば取れたサービス問題ですね。

選択肢1 誤り。場合にはよっては警察等の外部機関との調整も必要になることはあるとは思いますが, 一律の通報義務などは定められていません。

選択肢2 正答。経済的問題の解決のため, 「調整援助入院, 入院外を問わず, 患者が医療費, 生活費に困っている場合に, 社会福祉, 社会保険等の機関と連携を図りながら, 福祉, 保険等関係諸制度を活用できるように援助する。」とあります。

選択肢3 正答。「診断, 治療を拒否するなど医師等の医療上の指導を受け入れない場合に, その理由となっている心理的・社会的問題について情報を収集し, 問題の解決を援助すること。」とあります。

選択肢4 誤り。機関の機能に応じて, 転院や地域生活を援助することが大事だと思います。指針にも「退院・退所後においても引き続き必要な医療を受け, 地域の中で生活をすることができるよう, 患者の多様なニーズを把握し, 転院のための医療機関, 退院・退所後の介護保険施設, 社会福祉施設等利用可能な地域の社会資源の選定を援助すること。なお, その際には, 患者の傷病・障害の状況に十分留意すること」とありますね。

選択肢5 誤り。「診断, 治療内容に関する不安がある場合に, 患者, 家族の心理的・社会的状況を踏まえて, その理解を援助すること」とありますが, 「治療内容を説明」するのは医師の業務ですね。ほほー。ここらへんにちょいといろいろあるんだなあ (意味深)。

さて今日もあと2問!

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