第28回-社会専門142

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問題142 事例を読んで, A子に対する児童相談所の援助方針として, 次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
A子 (18歳) は, 高校入学を機にU児童養護施設から母親に引き取られた。しかし家庭内が落ち着かないため深夜徘徊したり, 学業不振や欠席が続き, 最近, 高校を中退した。これを知った母親の内縁男性がA子を殴り, 鼻骨骨折を負わせたが, 親権者である母親はA子に対し「殴られて当然」「あなたが反省すべきだ」と主張した。そこで, A子は児童相談所に相談し「いつも男性に殴られていた」「母は守ってくれないから, 男性がいる家では暮らしたくない」「働いて自立したい」と訴えた。
1 成年に達するまでは, 自宅で生活するよう説得する。
2 配偶者暴力相談支援センターを紹介する。
3 児童自立生活援助事業の活用を図る。
4 U児童養護施設に再入所させる。
5 更生保護施設に入所させる。

さて, この科目もあと一問で4年分終了。疲れましたねー。最後は事例問題ー!比較的ゆるめの問題に見えます。

選択肢1 誤り。これは明らかに虐待の事案なので, 「自宅で生活するよう説得」は明らかにおかしいですねえ。

選択肢2 誤り。配偶者である母親はDVの対象にはなっていないので、配偶者暴力相談支援センターは適切な社会資源ではないと思います。

選択肢3 正答。児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)は, 義務教育を終了した20歳未満の児童であって, 児童養護施設等を退所したもの又はその他の都道府県知事が必要と認めたものに対し, これらの者が共同生活を営む住居において, 相談その他の日常生活上の援助, 生活指導, 就業の支援等を行う事業です。18歳という年齢, 本人のニーズからも適切な社会資源だと思います。

選択肢4 誤り。児童養護施設は, 保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童に対し, 安定した生活環境を整えるとともに, 生活指導, 学習指導, 家庭環境の調整等を行いつつ養育を行い, 児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する機能をもちます。対象は18歳までなのでちょっとなさそうですね。

選択肢5 誤り。更生保護施設は, 刑務所や少年院を出た人, 執行猶予中の人などのうち, 社会生活がうまく営めず, かつ家族や公的機関などからの援助を受けられない人を, 一定期間保護する民間の施設です。事例には当てはまらないと思います。

よーーし, 今日はここまでーあと2科目だーー!

カテゴリー: 第28回社会専門科目, 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 パーマリンク