第27回-社会専門147

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問題147 少年に対する保護処分として言い渡される保護観察 (以下「1号観察」という。) と, 少年院仮退院者に付される保護観察 (以下「2号観察」という。) に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 1号観察は家庭裁判所が決定するが, 2号観察は少年院の長が決定する。
2 対象者が成績良好の場合, 1号観察には仮解除や解除といった良好措置があるが, 2号観察には良好措置はない。
3 対象者が遵守事項に違反した場合, 1号観察も2号観察も地方更生保護委員会の決定により少年院に収容されることになる。
4 1号観察も2号観察も, 対象者が成人 (20歳) に達した後でも行われることがある。
5 1号観察では一般遵守事項しか付されないが, 2号観察では一般遵守事項に加えて特別遵守事項が必ず付される。

さて, 3年目。この問題もパターンがだいぶつかめてきましたねえ。保護観察も何度か出題されているので, これはしっかり勉強しておくべきですね。保護観察は, 下記の1-5号の分類されており, この問題1号, 2号に関する問題ですね。
1) 少年に対する保護処分としての保護観察(1号)
2) 少年院から仮退院を許されている者に対する保護観察(2号)
3) 仮釈放を許されている者に対する保護観察(3号)
4) 執行猶予者に対する保護観察(4号)
5) 婦人補導院から仮退院を許されている者に対する保護観察(5号)

選択肢1 誤り。第一号保護観察は, 「少年に対する保護処分」の一つです。なので前半部は正しいですね。
ちなみに, 家庭裁判所が少年に対して行う処分は,非行を犯した少年を改善・更生させて,再び社会に迷惑をかけることのないようにすることを目的としており, 具体的には,
1) 少年を保護観察所の指導,監督にゆだねる保護観察
2) 少年院で指導や訓練を受けさせる少年院送致
3)  事件を検察官に送って刑事裁判を受けさせる検察官送致
などがあります。
一方, 第二号保護観察は, 「少年院から仮退院を許されている者に対する保護観察」なのですが, これを決定すのは, 地方更生保護委員会の役割です。地方更生保護員会は, 法務大臣の管理のもとに, 仮釈放の許可, その取り消しなどのほか, 保護観察所の事務の監督にあたる機関ですね。

選択肢2 誤り。良好措置は,保護観察対象者が健全な生活態度を保持し,善良な社会の一員として自立し,改善更生することができると認められる場合に執られる措置であり,仮退院者 (2号)について刑の執行を受け終わったものとする退院又は, 保護観察者 (1号)について保護観察を解除や仮解除があります。

選択肢3 誤り。これは不良措置に関する問題です。不良措置は,保護観察対象者に遵守事項違反又は再犯等があった場合に執られる措置で, 仮釈放者に対する仮釈放の取消しや保護観察者に対する少年院送致の可能性があります。決定機関は第一号の保護観察対象者の場合は, 第二号の場合には, 地方更生保護員会が決定機関になりますね。

選択肢4 正答。これは難しいですねえ。第一号の処分の場合は, 20歳になるまでは少年に対する保護処分なので, 例えば19歳10ヶ月で保護が決まった場合には, 20歳を超えることがあります (2年までみたいです)。2号の場合でも同じように19歳10ヶ月で仮釈放が決まった場合には保護観察が20歳を超えても行われる可能性はあるでしょうね。

選択肢5 誤り。一般遵守事項は, 対象者全員にづけられるルールで, 健全な生活態度を保持したり, 保護観察官や保護司の面接を受けたり, 必要に応じて生活実態に関する資料を提出したりが挙げられます。特別遵守事項は, 事件の内容や事件に至った経緯等を踏まえ,個人の問題性に合わせてづけられるルールで, 共犯者との交際を絶ち,接触しないとか, 性犯罪者処遇プログラムを受けることなどがあります。これ1号2号関係なく付与されます。

さて、今日もあと4問がんばろーーーー!

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