第28回-精神専門10

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問題10「精神保健福祉法」による入院に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 任意入院では, 請神保健指定医が必要と認めれば72時間に限り退院を制限できる。
2 医療保護入院では, 2名の精神保健指定医が認めれば家族の同意は不要である。
3 措置入院では, 家族の同意が得られた時点で速やかに医療保護入院に切り替える。
4 緊急措置入院では, 精神保健指定医の診察なしで72時間に限り入院させることができる。
5 応急入院では, 自傷他害のおそれがあると認められ, 急速を要する場合, 72時間に限り入院させることができる。
(注) 「精神保健福祉法」とは, 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことで ある。

入院形態に関する問題です。非常によく出題されるタイプの問題なのでこれは確実の解いておきましょう。

選択肢1 正答。 任意入院退院制限の説明です。任意入院の場合, 患者が退院を希望した場合には, 退院させることが原則ですが, 精神科病院の管理者は, 精神保健指定医による診察の結果, 当該任意入院者の医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは, 72時間に限り, その者を退院させないことができる。ちなみに特定医師の場合は12時間まで退院制限をすることができます。

選択肢2 誤り。医療保護入院は, 精神保健指定医の診察の結果, 精神障害者であり, かつ医療及び保護のための入院必要があるもので, 任意入院が行われる状態にないものに対して行う強制入院です。 入院時には家族等の同意が必要です。法改正前までは, 家族の同意ではなく保護者の同意だったんですよねえ。選択肢は, 措置入院の説明だと思います。

選択肢3 誤り。措置入院は, 自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ (措置症状)のある方に都道府知事の権限で行う強制入院です。家族の同意の有無には関係しません。措置症状が消退した場合には, すぐに措置入院は解除となりますが, その場合に医療保護入院になるのか, 任意入院になるのか, 退院となるのかはケースバイケースだと思います。

選択肢4 誤り。緊急措置入院は, 2名の精神保健指定医が確保できない場合でも, 緊急性が高い時は, 精神保健指定医が1名の診察でも入院が可能な制度です。72時間以内にもう1名の精神保健指定医による診察が必要です。

選択肢5 誤り。応急入院は, 精神保健法 (1987) で新設された制度です。緊急の入院が必要で家族の同意がすぐに取れない場合に行われる入院です。厚生労働大臣の定める基準を満たし, 都道府県に指定を受けている病院の管理者の権限で, 精神保健指定医の診察の結果, 72時間に限り認められます。家族と連絡が取れない医療保護入院というイメージで捉えればわかりやすいかもしれませんね。

よし一科目終了!!

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