第28回-精神専門37

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問題37 精神障害者支援の理念や方法に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 リカバリーとは, 回復のために利用していた様々な支援を必要としなくなり, 自立することである。
2 エンパワメントとは, 社会的に不利な状況に置かれた人が, 自らの力を高め, 行動できるようになることである。
3 ストレングスモデルとは, 疾患やそれに起因する弱さを, 個人に応じたプログラムにより強化していくことである。
4 インフォームドコンセントとは, 医師が推奨する治療や検査について患者を説得することである。
5 ソーシャルインクルージョンとは, 疾患や障害の状態に配慮し, 求められる義務や行為に対する猶予制度を確立することである。

精神障害者支援における様々な概念に関する問題です。基本的な用語なのでしっかり解いておきたいところです。

選択肢1 誤り。リカバリーとは, 「障害のある人が, それぞれ, 自分が求める生き方を主体的に追求すること」です。その主体的な追求は必ずしも支援を必要としないわけではありません。支援を受けながらでも主体的に生活できることはありますよね。

選択肢2 正答。エンパワメントは, ソロモンが「黒人のエンパワメント」において提唱した概念です。エンパワメントが低い状態だと「自分はなにもしてもうまくいかない」というようなネガティブな状態になります。特に社会的に弱い立場にある人たちはエンパワメントが低い状態になりやすいため, エンパワメントを高くするための援助が必要になります。

選択肢3 誤り。ストレングスは読んで字のごとく, クライアントの強みに着目したモデルです。できない部分よりもできる部分に着目する方法なので, 選択肢は真逆ですね。ラップとゴスチャを人名として覚えておきましょう。

選択肢4 誤り。インフォームドコンセントは説明と同意という意味です。医師が治療の内容を説明した上で, クライアントはそれに同意して治療を受ける事ができます。これは医師法にも明記されていますし, 診療報酬上にも位置づけられています。事例はインフォームはできていてもコンセントはまったくできていませんね。

選択肢5 誤り。ソーシャルインクルージョンは , 「全ての人々を孤独や孤立,排除や摩擦から援護し,健康で文化的な生活の実現につなげるよう,社会の構成員として包み支え合う」という意味です。

さて今日はここまでー。

カテゴリー: 第28回精神専門科目, 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 パーマリンク