第28回-精神専門36

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問題36 精神保健医療福祉の事項と人物に関する次の組合せのうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 我が魂にあうまで—呉秀三
2 精神病者慈善救治会—ビアーズ (Beers, C.)
3デイケア—リバーマン (Liberman, R.)
4 社会生活技能訓練 (SST) —ビエラ (Bierer, J.)
5 当事者運動—オヘイガン (OHagan, M.)

人名問題は, 今年3問目ですが, それぞれ別の科目で出題されています。なんか相変わらず全体としての統一性がないなあ。この問題はかなり基本的な問題なうえにそれぞれの選択肢が互い違いになっているので比較的解きやすかったかもしれません。

選択肢1  誤り。 我が魂にあうまでは, ビアーズの著書です。ビアーズはアメリカの精神衛生運動に尽力した当事者です。ちなみにiBooksで原文が無料で売ってますよー。

選択肢2 誤り。精神病者慈善救治会は, 呉秀三が設立した団体です。彼は日本のピネルと呼ばれ精神障害者の開放的処遇に尽力しました。松沢病院加藤普佐次郎とともに作業療法の普及にも努めています。また, 『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』(1918年)において「わが国十何万の精神病者はこの病を受けたるの不幸のほかに, この国に生まれたるの不幸を重ぬるものというべし」という言葉が有名です。彼はその頃ほとんど整備されていなかった精神病院を公の責任において設置するべきという考えのもと, 1919年の精神病院法の設立に尽力しました。

選択肢3 誤り。デイケアはイギリスのビエラとカナダのキャメロンが, それぞれ同時期に別の地域で始めました。

選択肢4 誤り。リバーマンが確立したSSTは, 日本においては1994年に「入院生活技能訓練療法」として診療報酬化されています。

選択肢5 正答。これは去年のこの問題で解説してるぜ!!オヘイガンは, ニュージランドの当事者運動家で, 精神科サバイバーネットワークで有名です。

すいません。最期なんか変なテンションになってきちゃいました。

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