第28回-精神専門46

Pocket

問題46 統合失調症の息子 (30歳) のいるKさんは, 1年前から保健所のL精神保健福祉相談員の紹介で地域の家族会に参加するようになった。ある日, KさんはL精神保健福祉相談員に家族会での印象的な出来事を以下のように語った。「私は息子のできなくなったことばかりが気になって, いつもイライラして厳しく当たってい ました。主治医から病気の症状によるものだと聞いても受け入れられませんでした。ところがあるご家族が『病気になって一番つらいのは本人です。親にできることは そのつらさに寄り添い, 本人をそのまま認めてあげること』と話していたのを聞いて息子の苦労や大変さが感じ取れるようになってきたのです。私も親として, 病気を抱えながら頑張っている息子の一番の理解者になってあげたいと思いました」。
次のうち, セルフヘルプグループの特性の中で, Kさんの語りが示すものとして, 適切なものを1つ選びなさい。
1 へルパーセラピー原則
2 わかちあい
3 体験的知識の活用
4 レジリエンス (resilience)
5 役割モデルの獲得

よし事例で一息って思ったらこれもあんまり耳慣れないものも出てきてるなあ。うきーー!しかも結構面倒くさい内容。というかどれも正解だし, 誤答だしって感じの意味不明な問題ですね。一応むりやり解説します。

選択肢1 誤り。ヘルパーセラピー原則とは, リースマンが提唱した用語で,  助ける者が癒されるという原則 のことです。事例では, Kさんはまだ他者を助けるというよりも, むしろ助けられてるという状況だと思います。

選択肢2 誤り。わかちあいとは, 気持ち, 体験, 知識などを語り合うことで, お互いの抱えている課題等に関する意識を共有し, それぞれの体験に活かしていくことです。これかなあと思いましたが, Kさんがこの体験をグループに戻していかないとまだわあちあいの段階までは言っていないんじゃないかな。

選択肢3 誤り。なんだろうこの問題。。。体験的知識とは, セルフヘルプグループ等の仲間の体験を含めた知識を示します。ええとこの選択肢では, 体験的知識を得ることはできたけど, 「息子の一番の理解者になってあげたい」と思ったけど, まだそうなっているわけではないので, 「活用」ではないという理解でいいのかな・・・

選択肢4 誤り。レジリエンスとは, 精神的な回復力・抵抗力・復元力などを示す精神医学用語です。よく出題されますね。事例とは直接関係ないように思います。

選択肢5 正答。役割モデルとはロールモデルとも言います。これは行動の規範となる存在と関わることで, 自らの行動を見直すという意味を持ちます。ここでは, 『病気になって一番つらいのは本人です。親にできることは そのつらさに寄り添い, 本人をそのまま認めてあげること』と述べたある家族がKさんの役割モデルとして存在したといえると思います。

うーん。この問題おかしいよねえ。いろいろ解説見たけどぜんぜん自信がないです。さて, 次の科目。

 

カテゴリー: 第28回精神専門科目, 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 パーマリンク