第28回-精神専門66

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問題66「医療観察法」に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 指定入院医療機関は, 都道府県知事により指定される。
2 入院先は, 指定入院医療機関の中から付添人が決定する。
3 指定医療機関の管理者は, 地方裁判所の長と連携を図り, 社会復帰に関する相談, 援助などを行う。
4 入院患者の外出, 外泊は, 外部評価会議の承認が必要である。
5 指定入院医療機関の管理者の申請による退院は, 地方裁判所の審判により決定する。
(注) 「医療観察法」とは, 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及 び観察等に関する法律」のことである。

医療観察法は毎年かなりたくさん出題されています。これは結構基本的な内容かなあ。。

選択肢1 誤り。指定入院医療機関は30床程度の小規模の病棟において,対象となる人の症状の段階に応じ,人的・物的資源を集中的に投入し, 手厚い医療を提供するものです。この機関は厚生労働大臣によって指定されます。現在全国に800床ほどの医療機関が指定されていますが, 各県に配置はされていません。

選択肢2 誤り。入院する指定入院医療機関は, 審判の結果を踏まえて厚生労働大臣よって決定されます。審判は, 裁判官・精神保健審判員各1名との合議体にて精神保健参与員(精神保健福祉士等)の意見を聞きながら処遇決定を行うものです。付き添い人は, いわゆる弁護士のことなので誤りなのはわかったと思います。

選択肢3 誤り。これは地方裁判所ではなく保護観察所の長の説明です。そのため保護観察所には社会復帰調整官が置かれ, 精神保健観察を行います。

選択肢4 誤り。外部評価会議は, 医療観察法病棟全体の運営状況や治療内容に関する情報公開を行い, 病棟運営の第三者評価を受けることで病棟運営の透明性を確保するための会議です。外出・外泊させて経過をみることの判定は, 指定入院医療機関の管理者が精神保健指定医の意見を聞きながら検討します。

選択肢5 正答。指定入院医療機関又は本人等からの申立てにより,入院による医療の必要性がないと認められたときは,裁判所により退院が許可されます。その際には保護観察所の長の意見を添付する必要があります。またそれらの申し立てがなくても少なくとも6ヶ月に一度は入院継続の要否を地方裁判所が判断し, 漫然と入院を継続することがないようにしないといけません。

今日はここまでー。

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