第25回-社会専門106

Pocket

問題106 事例を読んで, 総合病院のHソーシャルワーカー (社会福祉士) の対応に関する次の記述のうち, この段階で最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
アルバイトで生計を立てていた一人暮らしのJさん (48歳, 男性) は, ある夜, 酔って駅の階段から転落して足を骨折し, 総合病院に救急搬送された。入院中に肝機能障害と診断された。現在は生活保護を受けてアパートで暮らしており, 通院治療を受けている。ある日, Jさんは大量に飲酒し, せっかく見つけた仕事を失い, アルコール依存症との診断を受けた。また, 最近では隣人ともたびたび口げんかをするようになった。主治医からの連絡を受けたHソーシャルワーカーは支援を行うこととした。Jさんはアパートで一人暮らしを続けていくことを希望している。
1 隣人に対して, Jさんの状況を説明して謝罪する。
2 Jさんとかかわり続けながら, アルコール依存症者の自助グループを紹介する。
3 Jさんが自分の問題状況に気づけるように, しばらく経過を見守る。
4 一人暮らしは困難であることを伝えて, 生活保護施設への入所を促す。
5 主治医とともに, Jさんのアルコール専門病院への入院手続きを行う。

事例が続きますねーちょっと飽きてきましたー。

選択肢1 誤り。選択肢のような動きをしてしまう人のことをイネーブラーといいます。本人のために良かれと思って行動することが結果的に本人の飲酒を継続させることにつながってしまうからです。まあ単純にソーシャルワーカーが変わりに謝ったってなんの解決にもならないですよね。

選択肢2 正答。アルコール依存症のクライエントへの支援として自助グループは非常に有効なのでこの問題は誤りにはできません。断酒会AAのこともしっかりおぼえておきましょう。

選択肢3 誤り。怪我をしたり, 肝機能に障害があったり, 近隣住民とトラブルをおこしているような状況でアルコールがやめられないという状況で, 「しばらく経過を見守る」ことはただの責任放棄ですね。こういう状況では専門職として積極的に介入することが求められていると思います。

選択肢4 誤り。最終的に施設利用も考えられますが, 本人のニーズが「アパートで一人暮らしを続けていくこと」なので, この段階で決めつけてしまうのは支援の在り方として正しくないと思います。

選択肢5 誤り。この段階で本人の意向を無視して入院手続きはありません。さらに, 主治医と社会福祉士の判断だけで本院を強制入院させることはできませんね。

今日はここまでー。

カテゴリー: 第25回社会専門科目, 相談援助の理論と方法 パーマリンク