第26回-社会専門112

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問題112 事例を読んで, G介護支援専門員 (社会福祉士) のこの時点における対応に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Hさん (79歳, 女性) は, 息子 (40歳) との二人暮らしである。息子は, 建設関係の仕事をしていたが, 3か月前に持病の腰痛の悪化を理由に退職し, 現在はHさんの年金を頼りに生活している。また, Hさんは要介護1の認定を受けており, 通所介護を利用している。ある日, 居宅介護支援事業所のG介護支援専門員が定期的なモニタリングのために自宅を訪問すると, 息子が「母親が最近に夜に失禁したり, つじつまの合わない話をする。自分の手には負えないのですぐに施設に入所させてほしい」と言った。G介護支援専門員は, 別室でHさんに話を聴こうとしたが, Hさんは暗い表情でうつむいたまま多くを語ろうとしない。
1 施設入所には認知症の診断が前提になるため, まずは専門医の受診を勧める。
2 介護者としての息子の労苦をねぎらい, 家族介護者の会を紹介する。
3 担当の民生委員に状況を説明し, Hさんへの見守りを強化するよう依頼する。
4 通所介護事業所の相談員に連絡を取り, Hさんの様子を確認する。
5 すぐに施設入所はできないことを説明し, 訪問介護サービスの利用を手配する。

事例問題ですね。こういう時は自分だったらどうしてもらいたいかなあと一度考えてから解いてみるとすっきりするかも。

選択肢1 誤り。施設にはいろいろありますが, 入所に認知症の診断は前提としているところは認知症グループホームくらいですね。さらにHさんのニーズも不明なままで入所を前提とした動きをしていくのは誤っているでしょう。

選択肢2 誤り。介護者にかなりの負担がかかっていることはいうまでもないですが , この時点で「ねぎらい, 家族介護者の会を紹介」したところで実質的負担が減るわけではありません。

選択肢3 誤り。将来的にはあり得ると思いますが, 事例の中で民生委員はまったく出てきていません。これまで関与していない民生委員が見守った所で実際の負担は減らないですよね。

選択肢4 正答。「暗い表情でうつむいたまま多くを語ろうとしない」ことから, 情報を収集するために, 実際に本人が利用している通所介護のスタッフと連絡を取っていくことは本人の許可を得てという前提が必要ですが, 正答に近いと思います。

選択肢5 誤り。要介護1ということから, 実際にはすぐに施設入所は難しいとおもわれます。ただ, 情報収集ができていない状況において, 選択肢のような確定的な判断はしないほうがいいと思います。

今日はここまでー。

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