第27回-社会専門150

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問題150 更生保護における最近の取組に関する次の記述のうち, 適切なものを2つ選びなさい。
1 仮釈放者を対象に犯罪傾向などの問題性に応じた重点的, 専門的処遇を行うために, 自立更生促進センターが全都道府県に設置された。
2 高齢又は障害により自立が困難な矯正施設退所者等に対し, 退所後直ちに福祉サービスにつなげるなど, 地域生活に定着をはかるため, 地域生活定着支援センターが設置された。
3 個々の保護司への支援の必要性や, 保護司会がより組織的に処遇活動や犯罪予防活動を行う観点から, 更生保護サポートセンターが設置された。
4 刑の一部の執行猶予制度が新設され, 薬物使用等の罪を犯した者に対して, 裁量的に猶予期間中保護観察を付すことができることになった。
5 更生保護施設への入所に限界があることから, 緊急的住居確保, 自立支援対策の一つとして, 「自立準備ホーム」が法務大臣の許可の下に設置できることになった。

さて, 3年目最後の問題ですね。「最近の取組」って言われてもどこからどこまでが最近なんだかわからないので, ただの用語問題かなあ。

選択肢1 誤り。ある種の犯罪的傾向を有する保護観察対象者に対しては,指導監督の一環として,その傾向を改善するために,専門的処遇プログラムとして,心理学等の専門的知識に基づき,認知行動療法を理論的基盤として開発された,体系化された手順による処遇が行われています。専門的処遇プログラムとしては,性犯罪者処遇プログラム,覚せい剤事犯者処遇プログラム,暴力防止プログラム及び飲酒運転防止プログラムの4種があり,その処遇を受けることを特別遵守事項として義務づけて実施しています。これは保護観察所で行われているので誤りですね。
自立更生促進センターは, 親族や民間の更生保護施設では円滑な社会復帰のために必要な環境を整えることができない刑務所出所者等を対象として,国が設置した一時的な宿泊場所を提供するとともに,保護観察官が直接,濃密な指導監督と手厚い就労支援により,これらの者の改善更生を助け,再犯を防止し,安全・安心な国や地域づくりを推進することを目的として,設置・運営しています。

選択肢2 正答。地域定着支援センターは, 高齢又は障害を有するために福祉的な支援を必要とするものに対する支援を行います。各都道府県に設置されています。

選択肢3 正答。2008年に設置された更生保護サポートセンター は, 地域における保護司の拠点で保護司が駐在し, 地域の関係機関と協力し保護観察中の者の支援や住民からの犯罪非行相談に応じます。2008年て最近なんですかねえ。

選択肢4 誤り。「裁量的に猶予期間中保護観察を付す」という部分が異なっていますね。刑の一部執行猶予制度は, 刑を一定期間受刑させたのち, 残りの刑期の執行を猶予する制度です。執行猶予が刑の途中であるというイメージで捉えればわかりやすいと覆います。社会内処遇を通じて, 受刑者の社会復帰促進や, 保護観察による再犯防止などを目的に行われます。

選択肢5 誤り。自立準備ホームは, 保護観察対象者等であって適当な住居の確保が困難な者について, 更生保護施設以外の宿泊場所に宿泊させて行う措置を委託されるものです。このホームでは, 法務省の「緊急的住居確保・自立支援対策」にもとづくものですが, 法務大臣の認可ではなく, 保護観察所への登録制になっています。

さーて今日はここまでー。いよいよ明日でおしまいです!!張り切っていきましょうー!

 

 

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