第25回-共通科目23

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福祉の原理をめぐる哲学, とりわけ自由と平等に関する次の記述のうち, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 リバタリアニズム, とりわけ右派の思想は, 他者からの束縛, 強制から解放されることが最も重要であるという積極的自由の概念を中核にしているため, 福祉制度の拡充には否定的である。
2 古典的自由主義が自由放任を重んじるのに対して, 新自由主義は自由を実現できる機会が個人に付与されるべきであり, その限りにおいて国家の福祉的介入が必要であるとする新しい観点を掲げている。
3 パターナリズムは, 個々人の自由よりも類としてのまとまりを重視しているため, 類別に類型化された一律の福祉的介入を推奨し, その範囲内で限定的に個人の盲由を認めている。
4 レスポンシブ・コミュニタリアニズムは, 社会善をなすためにコミュニティ全体の秩序と個々人の権利の尊重との間の調和が必要であるとの立場で, 福祉制度の推進において市民社会の役割を重視している。
5 フェミニズム運動は, 第一波では, 家庭をはじめとする私的領域での男性との平等を求めたが, 20世紀中期以降の第二波では, 女性の解放のためのさらなる手段として, 公的領域, 特に教育, 雇用, 福祉, 政治における男性との平等な機会を求めるようになった。

ひーなんじゃあこのカタカナ。。。調べながら解いていこっと。用語が正しく理解できていれば解ける問題だったらいいのだけれども。

選択肢1  いろいろ調べても分かりません。マニアックすぎる。。。一応誤りだと思います。リバタリアニズムは, 個人的な自由, 経済的な自由の双方を重視するため, 他者の権利を侵害しない限り, 各個人の自由を最大限尊重すべきだと考える考え方で右派と左派に分かれています。福祉国家には反対しているので正答かなあとおも思ったのですが, リバタリアニズムは簡単に言うと「ほっとけよー」ということだから「積極的自由」だと「国が保障しろー」になっちゃうので前半部分が間違っているのではないかと思います。

選択肢2 こちらのページみました。正答に近い解答ではありますが元々は, 「社会的公正を重視し, 社会保障・公共事業・独占禁止法・金融政策など, 自由な個人や市場の実現のためには国家や政府による介入も必要 」という考え方なので, 福祉的介入という用語が間違っていると考えていいと思います。これも自信ないですが。。

選択肢3 誤り。パターナリズム (父性的温情主義)とは, 強い立場にある者が, 弱い立場にある者の利益になるようにと, 本人の意志に反して行動に介入・干渉することなので誤りですね。医療や福祉の世界で良く聞く概念ですが, 元々「弱い立場にある個人の利益を保護するために, 国家が個人の生活に干渉し自由・権利に制限を加えることを正当化する原理」なので, 「類別に類型化された一律の福祉的介入を推奨」が違うのではないでしょうか。

選択肢4  これが正答みたいですけど, 少なくても中央法規テキストのは載ってません。ググっても全然出て来ない。。どこかに論文でもあるのかな。。コミュニタリアニズム (共同体主義) は, 20世紀後半のアメリカを中心に発展してきた共同体(コミュニティ)の価値を重んじる政治思想です。この問題分かった人って何人いるんだろう。。

選択肢5 誤りです。第一波フェミニズムとは, 参政権要求など制度的な性差別に対する運動がが中心でした。それに対し, 第二波フェミニズムでは, 性差別的な制度だけでなく, 政治を担う個人の認識や, それまで政治とみなされなかった個人関係を問題化する女性運動です。これは分かったかと思います。選択肢は第一波と第二波の説明が逆ですねー。

ほんと難しい問題だと思います。僕はこの範囲は専門ではありませんが, 多分専門の先生でも自信もって解けないんじゃないかなと思います。。ちょっとこれだけ難問にされると手も足も出ないので, 文章読んで怪しい物を外してあとは運に点を任せるという感じでしょうね。

 

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