第25回-共通科目31

Pocket

我が国での仕事と労働をめぐる政策に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1「毎月勤労統計調査」 (厚生労働省) によると, 労働者の年間総実労働時間は, 労働基準法の改定 (1987 (昭和62) 年) にもかかわらず, 1980年代半ばから一貫して上昇しており, そのことが過労死などの要因となっている。
2ワーク・ライフ・バランスは, 欧米では使われるこ拳のない和製英語であり, ワーク・ライフ・バランス政策は, 日本での仕事と生活との特殊なあり方を反映して導入されてきたものである。
3 我が国の育児休業制度は, OECD諸国内では, 給付水準・期間共に低位であり, 健康保険制度によって少額の給付金が支払われるにとどまっている。
4 厚生労働省が保育所への入所待機児童数=ゼロと発表している地域における女性の生産年齢人口 (15歳〜64歳) に占める「有業者」の比率は, 全国平均と同水準である。
5 厚生労働省は, 近年, 職場におけるメンタルヘルス対策を推進してきており, 心の病気で休業していた労働者の職場復帰を支援するマニュアル (事業所向け) なども作成している。
(注) 「有業者」とは.ふだん収入を得ることを目的として仕事をしており, 調査日以降もしていくことになっている者及び仕事は持っているが現在は休んでいる者等のことをいう。

選択肢1 誤り。毎月勤労調査とは, 賃金, 労働時間及び雇用の変動を明らかにすることを目的に厚生労働省が実施する調査です。さすがにここらへんの資料に全て目を通しておくというのは試験対策としては現実的ではありませんが, 労働時間が一貫して増加しているというのは, 間違いだと気づくのではないでしょうか。1980年代からむしろ一貫して減少しています。これはフリーターなどの短期間労働者の増加も影響していますね。
選択肢2 誤り。ワーク・ライフ・バランスとは, 「仕事と生活の調和」と訳されます。「国民一人ひとりが, 仕事に対し, やりがいや充実感を持ちながら働き責任を果たすとともに, 家庭や地域生活などにおいても, 多様な生き方が選択・実現できる」ことを指し, 近年の施策のキーワードになっています。この考え方は元々欧米で考えられてきたものが日本にも輸入されたものです。この選択肢の出題意図って何なんでしょうかねえ。

選択肢3  誤り。これは正答にしてしまった人が多いのでは無いでしょうか。OECD諸国 (経済協力開発機構) を羅列すると, イギリス, ドイツ, フランス, イタリア, オランダ, ベルギー, ルクセンブルク, フィンランド, スウェーデン, オーストリア, デンマーク, スペイン, ポルトガル, ギリシャ, アイルランド, チェコ, ハンガリー, ポーランド, スロヴァキア, エストニア, スロベニア, 日本, アメリカ合衆国, カナダ, メキシコ, オーストラリア, ニュー・ジーランド, スイス, ノルウェー, アイスランド, トルコ, 韓国, チリ, イスラエルとなります。比較的先進国が多いですが, 社会保障制度の充実した国ばかりではなさそうですね。日本の育児休業制度は, こちらにありますが, 給与水準, 給付ともに低位という表現には問題があります。

ちなみに, 日本の育児休業制度では, 「労働者は, 申し出ることにより, 子が1歳に達するまでの間 (条件を満たせば1年6ヵ月)」その機関は雇用保険により, 給与の40%(当面50%) 支給されます。制度上は比較的充実していますが, 育児休暇を取ると仕事を辞めなきゃ行けない雰囲気とかそういう風土のほうが問題なのかもしれませんね。
選択肢4 誤り。これは資料で覚えるというよりも, 感覚で覚えましょう。現在の入所待機児童が0の地域は, 富山県, 石川などの北陸地方ですがこの地域の有業率 (働いている比率) は, 他の地域よりも高いです。子供へのサポートを充実することで, 仕事に行く率が増えるのは自然なことですね。

選択肢5 正しい。厚生労働省のページを参考にしましょう。職場におけるメンタルヘルス対策は重要です。その他産業医のことなどについても確認する必要がありますね。

現代社会と福祉長かったなあ。。。。


カテゴリー: 第25回共通科目, 地域福祉の理論と方法 パーマリンク

コメントを残す