第27回–共通科目59

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問題59 事例を読んで, 障害支援区分認定に関する次の記述のうち, 認定調査員の対応として, 適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕Fさん (35歳) は全身性エリテマトーデスである。症状に変動があり, 状態が良いときが多いため身体障害者手帳の取得はできていない。状態が悪いときは歩行も困難な状況であり, 家族やボランティアの学生, 訪問看護師からの支援を受けている。Fさんは居宅介護を受けたいと思い, このたび, 障害支援区分の認定を受けるための申請をし, 認定調査員の訪問を受けることとなった。
1 症状が変化するなどの特徴があるため, 「できない状況」に基づき判断して認定調査項目の記載を行う。
2 認定調査項目と特記事項の記載内容に矛盾があってもそのままを記載する。
3 認定調査結果と医師意見書との整合性を保つ必要があるため, 矛盾が確認できた場合は認定調査の結果を書き換える。
4 プライバシーを守るため, 保健師などの同行は依頼せず単独訪問を心掛ける。
5 認定調査の際, ボランティアの学生は聞き取り対象から外す。

難病患者に関する障害支援区分に関する問題ですね。事例は読まなくても解答できます。ちなみに全身性エリマトーデスとは自己免疫性の疾患でよくなったり悪くなったりを繰り返し, 慢性に経過する難病の一つです。

選択肢1 正答。従来の障害程度区分においては, できたりできなかったりする場合は, 「より頻回な状況」とされていましたが, 障害支援区分の変更にともなって「できない状況」を基準に認定調査を行うことになっています。これは重要な改正なので覚えておく必要がありますね。

選択肢2 誤り。特記事項を記入するときは, 「認定調査票と特記事項の記載内容に矛盾がないか確認し, 審査判定に必要な情報を簡潔明瞭に記載する」とあります。そもそも特記事項を記入する人と, 認定調査票を記入する人は同じです。そこに矛盾があるということは適切に認定調査が行われていないと考えられるのではないでしょうか。

選択肢3 誤り。「医師意見書が届いた時に, 認定調査票と医師意見書の共通項目の突合を行い, 矛盾点は両者から聞き取り, 整理を行う」とあります。医学的見地と生活上の不便さは異なった視点から行うものなのでどちらかを優先させるということはないでしょうね。

選択肢4 誤り。保健師も本人を支える社会資源の1つです。本人が拒否しているならばまた話は違ってきますが, 同行を依頼することは十分にあり得ます。

選択肢5 誤り。ボランティアの学生も本人を支えている社会資源なので本人の状況を知るには聞き取りを行うことはあり得ます。もちろん本人の意思を確認してからですが。

今日はここまでー。

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