第25回-共通科目57

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障害者自立支援法のもとでの相談支援に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
l 支給決定プロセスにおいて, サービス等利用計画案は支給決定がなされた後に作成されるものである。
2 相談支援専門員は, 指定計画相談支援においてサービス等利用計画を作成し, 地域移行支援と地域定着支援を行う。
3 地域定着支援は, 障害者支援施設に入所している障害者や精神科病院等に入院している精神障害者に対して, 住居の確保や新生活の準備等について支援するものである。
4 相談支援専門員は, サービス利用支援においてサービス等利用計画を変更するとともに, 関係者との連絡調整を行う。
5 基幹相談支援センターは, 虐待防止等権利擁護のために必要な援助を行うことが期待されている。

この問題は自立支援法の改正(2012)に伴う問題ですね。過去問だけの問題では厳しかったかもしれません。今後も頻出なので丁寧に見て行く必要があります。あと問題文も悩むところが多かったですねー。出題者の意図を読みすぎるくらい読まないと厳しい問題だったかと思います。

選択肢1 誤り。改正においては, 相談支援の充実という項目の中で支給決定プロセスを見直し, サービス利用計画作成の対象者の大幅な拡大のため, 支給決定の前にサービス利用計画案を作成し, 支給決定の参考とするよう見直しが行われました。

選択肢2 誤り。重箱問題ですが, 今後も出題される可能性があります。まず, 相談支援事業所には, 指定特定相談支援事業所指定一般相談支援事業所があります。

前者は, 計画相談支援(いわゆる一般的な相談支援)が行われていますが, 後者は地域相談支援として(地域移行支援や地域定着)などが行われています。もちろん, 事業所によっては両方の指定を受けている所もあります。また指定も前者は市町村なのに対し, 後者は都道府県と非常に分かりにくくなっているので注意が必要です。いろいろサイトを探しましたが両者の関係を分かりやすく解説しているサイトは見つけることができませんでした。ここの部分は丁寧に確認しておく必要がありますね。

選択肢3 誤り。選択肢は地域移行の説明です。地域定着は地域移行支援を利用して退院された方や, 再入院などのリスクの高い方を対象に行われているもので, 24時間の電話相談などが特徴です。両方とも2012改正で個別給付化されたものであることに注意が必要です。

選択肢4 誤り。これも重箱問題ですね。これ大事とは思えませんが。。いわゆる計画相談は2種類に分かれています。一つは, サービス利用支援で最初に福祉サービスを受ける際に利用するもので, もう一つは継続サービス利用支援となります。これは更新時やサービス等利用計画を変更する際に行うものです。

選択肢5  正答。基幹相談支援センターは, 市町村に任意設置で委託することも可能です。
地域における相談支援の中核的な役割を担うことが期待されています。

選択肢3, 4は実際に働いている人にとっては難しくなかったかもしれませんが, なかなか受験生にとっては厳しい問題だったのではないでしょうか。選択肢5を自信も持って解答できるかどうかが問われる問題でした。なんかわざわざ語句を難しくしているような印象ですね。難しかった。。今日はここまでー。


カテゴリー: 第25回共通科目, 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 パーマリンク