第25回-共通科目58

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事例を読んで, P就労継続支援B型事業所のサービス管理責任者の対応に関する次の記述のうち, この時点で最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
自宅から通ってP就労継続支援B型事業所のサービスを受けているJさん (35歳, 男性) は全盲の視覚障害者であり, 母親と二人暮らしである。母親が心臓病を患い, 緊急に入院しなければならない状況になった。Jさんは, P事業所のサービス管理責任者に相談し就労継続支援は引き続き受けたいことと, 自宅での食事や家事の介護をしてもらえる人を探していることを話した。サービス管理責任者は, 同じ法人に居宅介護事業所があるので居宅介護の相談をしてみると返事をした。
1 法人内の居宅介護事業所に, 居宅介護の介護給付を受けられるよう依頼した。
2Jさんの生活全般を支援する指定特定相談支援事業所に連絡した。
3P事業所の個別支援会議に, Jさんの意向を踏まえて居宅介護を含めた個別支援計画作成を提案した。
4 法人内の居宅介護事業所に, まず, 居宅介護計画を作成するように依頼した。
5 市役所の窓口に」さんの状況を説明し, 法人内の居宅介護事業所のサービス開始を申請した。

選択肢1 誤り。まずは「同一法人内の」でうさんくささを感じます。事例の情報ではJさんは訓練給付である就労継続支援を利用しているとしかないので, もしかすると障害程度区分の認定を受けていない可能性もあります。実際に介護給付が受けれるかどうかはまだわかりません。さらに, Jさんのサービス利用についてはJさんが利用する相談支援事業所(指定特定)があるはずなので, 通っているサービス管理責任者の一存で紹介することは考えにくいですね。実際の業務で考えると, 「同一法人内のサービスを利用する」ということは非常に多いとは思いますが, 一つの法人で抱え込むという感じの運用は自立支援法の理念とは異なっていると考えられると思います。

選択肢2 これが正しいですね。選択肢1の解説と同じです。

選択肢3 誤り。選択肢1の解説と同じです。P事業所の個別支援会議ではもちろんJさんの生活全般のこともふまえて個別支援計画を立てますが, 基本的には就労継続支援に関する支援計画が中心になるのではないかと思います。

選択肢4 誤り。選択肢1と同じ理由です。そもそも居宅介護事業所は介護保険に規定されているので事例をみる限りJさんは対象にならないのではないかと思います。

選択肢5 誤り。選択肢1と同じ理由です。

かなりマニアックな内容が問われている問題だと思います。それぞれの機関のことを多角的に知っていないと難しい内容でした。しかも, 正答の選択肢2はなにか淡白に見える表現でなかなか選びにくいですね。本番でこの問題が出たらちょっと選ぶのは難しいのではないでしょうか。

今日はここまで。


カテゴリー: 第25回共通科目, 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 パーマリンク