第25回-共通科目74

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事例を読んで, 地域医療支援病院と在宅療養支援診療所等との連携に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Dさん (80歳) は体調が悪く, 最寄りの在宅療養支援診療所であるQクリニックで診察を受けたところ, 地域医療支援病院であるR病院での診療を紹介された。R病院では直ちに入院のうえ, 4日後に手術となった。2週間後, Dさんは無事R病院を退院し, 自宅に戻ることができた。その後, Qクリニックが, S訪問看護ステーションと連携して, Dさんの在宅療養の支援に当たっている。

1 R病院は, 病床数400床以上を有していなければならない。
2 R病院は, 高度の医療に関する研修実施能力を有していなければならない。
3 R病院は, 入院中の治療に関する計画を, 担当医により, R病院に紹介したQクリニックの医師に, 治療前に説明しなければならない。
4 Qクリニックの医師は, 24時間往診や必要な機関と連携して, 24時間訪問看護が可能になる体制を確保しなければならない。
5 S訪問看護ステーションによる訪問看護は, この場合, 在宅療養なので, すべて医療保険の対象外となる。

事例問題の形式をとっていますが, これは基本的な知識を問う問題ですね。

選択肢1 誤り。地域医療支援病院とは, 地域における第一線の医療機関であるかかりつけ医・かかりつけ歯科医師への支援などを通じて地域医療の充実を図る病院で, 都道府県知事の承認  (指定ではないことに留意)を受けた病院をいいます。病床数については「200床以上の患者を入院させるための施設」とあるので選択肢は誤りですね。その他には他の病院または診療所から紹介された患者に対して医療を提供する体制が整備されていること( 紹介率が80%以上又は, 紹介率が60%以上かつ逆紹介率が30%以上, または紹介率40%以上かつ逆紹介率が60%以上) などが必要とされます。詳細はこちらに載っているので確認しておきましょう。

選択肢2 誤り。先ほどのリンク先にも書いてありますが, 地域医療支援病院には「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力」が求められます。選択肢は特定機能病院の説明ですね。

選択肢3 誤り。これはちょっと意図がつかみかねる問題ですねえ。もちろん, 紹介したQクリニックの医師から考えると説明してもらったほうがいいのかもしれません。。法的に義務づけられているということはありません。

選択肢4 正しい。在宅療養支援診療所とは, 2006年に始まった制度です。入院ではなく, 在宅での療養生活を応援するための診療所であるため, 原則的に24時間体制の往診急変時の入院先の確保などの基準を満たすことが必要となります。一般診療所に比べ, 診療報酬が高くなるよう設定されているため, 増加傾向にあります。

選択肢5 誤り。 介護保険における訪問看護は65歳以上の要介護認定を受けている人が対象となります。事例を見ると, Dさんはその対象ともなりえますが, 「厚生労働大臣が定める疾病」の場合には医療保険の適用になります。この事例を見る限りその疾病がなんなのかが明らかにされていないため, すべて医療保険の対象外というのは誤りです。

ちなみに「厚生労働大臣が定める疾病」についてはこちらを参考にしてください。

今日はここまでー。最近目標どおりにすすんでいます。7月中には終わるかなー。


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