第25回-共通科目78

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諾成・双務契約に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

1 お金の貸し借りは, 諾成・双務契約である。
2 無償で駐車場を借りる行為は諾成・双務契約である。
3 社会福祉法人に寄付をする行為は諾成・双務契約である。
4 身の回りの物を預かってもらう行為は諾成・双務契約である。
5  民間のアパートを借りる行為は諾成・双務契約である。

おおー法学っぽい試験ですねー。この問題はかなり厳しかったのではないでしょうか。

まずはちょっと契約に対する基礎知識が必要です。

契約にはいろいろな種類があります。いろいろ探しましたが, ウィキペティアが一番分かりやすかったですねー。まったく専門家ではないので, 間違って理解しているかもしれませんので, なにか見つけたら教えてくださいー。

まず, 諾成契約とは当事者双方の合意だけで成立する契約です。例えば, 「今度1000円でみかんを売りますよー」というように契約した上で, 後から「やっぱ売りません」ってことは認められませんよね。これが諾成契約です。原則的にはこれが契約の原則となります。一方これに対するものとはしては要物契約があります。これは, 実践契約ともいわれ, 当事者の合意だけでなく目的物の交付とによって成立する契約を差します。日本では, 消費貸借, 使用貸借, 寄託が要物契約にあたります。例えば「今度2000円融資しますからねー」という約束をしても, 実際に2000円融資するまでは契約が成立しないという意味で捉えればいいのではないでしょうか。

次に, 双務契約とは, 当事者の双方が互いに対価的な意義を有する債務を負担する契約です。双務契約においては, 一方の債務が発生しないときは, 他方の債務も発生せず, 各当事者は相手方の給付と引換えにのみ給付をなせば足りるという特徴があります。つまり「AさんはBさんに1000円でみかんを売りますよー」という契約の場合には, Aさんはみかんを渡す債務があるし, Bさんは1000円を渡す債務がありますよね。そして, Aさんがみかんを渡さない限りにはBさんは1000円を渡す必要がありません。一方, 片方だけが債務を負担し, 相手方がこれに対する対価的な義務を負わない契約を片務契約と言います。例えば, 「今度1000円寄付するからねー」という契約ですね。売買・賃貸借・請負・有償の寄託・有償の委任・雇用など多くは双務契約で, 贈与・使用貸借・消費貸借・無償の寄託・無償の委任などが片務契約と覚えておきましょう。

やっとここで選択肢。諾成契約と要物契約の違いを覚えておけば選択肢はずいぶんと狭められたのではないでしょうかー。

選択肢1 は, 消費賃借に当たります。そのため, 諾成契約ではなく, 要物契約ですね。また片務契約です。誤り。

選択肢2 は選択肢1と同じ。誤り。

選択肢3は, 寄付なので, 双務契約ではなく, 片務契約です。誤り。

選択肢4は, これは寄託なので, 要物契約ですね。寄託とは, 「当事者の一方が相手方のために保管をすることを約して,ある物を受け取ることによって効力を生ずる契約」です。「みかん預かっといてくれたら, 1000円あげるよー」というものです。

選択肢5 正しい。これが正解ですねー。

はい今日はここまでー。一日2問はきついなー。

 

 

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