第25回-共通科目81

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扶養義務に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 直系血族及び同居の親族は, 互いに扶養をする義務がある。
2 扶養の程度又は方法については, 当事者が協議で定めるものであり, 家庭裁判所が定めることはできない。
3 扶養をする義務のある者が数人ある場合において, 扶養をすべき者の順位については, 家庭裁判所が定めるものであり, 当事者が協議で定めることはできない。
4 家庭裁判所は, 特別の事‘晴がある場合であっても, 四親等の親族に扶養の義務を負わせることはできない。
5 扶養を受ける権利は, 特別の事情がある場合には, 処分をすることができる。

民法の中の扶養義務に関する問題ですねー。これはなんとか解いておきたい問題でした。

選択肢1 誤り。同居の親族は扶養義務に含まれていません。扶養義務を負うのは,原則として「直系血族」と「兄弟姉妹」であり,特別な事情がある場合には「3親等内の親族」も扶養義務を負う場合がありますが, この特別な事情の中には「同居」は含まれていません。

選択肢2 誤り。民法第879条では, 「扶養の程度又は方法について, 当事者間に協議が調わないとき, 又は協議をすることができないときは, 扶養権利者の需要, 扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して, 家庭裁判所が, これを定める。」と規定しています。このページが分かりやすいですね。具体的な扶養方法についても記載されています。

選択肢3 誤り。民法第878条では, 「扶養をする義務のある者が数人ある場合において, 扶養をすべき者の順序については, 当事者間に協議が調わないとき, 又は協議をすることができないときは, 家庭裁判所が, これを定める。」と規定しています。つまり, まずは扶養義務者間で協議して決めるのが原則だけども, それがまとまらないときは, 家庭裁判所が介入することになります。先ほどのサイトが詳しいですねー。

選択肢4 正しい。選択肢1の説明にあるように, 特別な事情がある時には3親等までは扶養義務を付与できますが, 4親等についてはできません。ちょっと日本語表現があいまいなので悩む問題だったと思います。

選択肢5 誤り。これはちょっと分かりにくいのですが, 「処分」とは, 放棄や譲渡などを示すのだと思います。例えば, 「経済的に豊かな両親との折り合いが悪いことを理由に一人暮らしを初めて単独で生活保護を受ける」というのは, 扶養請求権の処分に当たりますね。この扶養請求権は処分することはできません。

今日もあと一問!!


カテゴリー: 第25回共通科目, 権利擁護と成年後見制度 パーマリンク