第26回-精神専門9

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問題9 次のうち, 副作用として「手足の震え, 小刻み歩行, 無表情な顔貌」が, そろって出現する可能性が最も高い薬物として, 正しいものを1つ選びなさい。
1 抗精神病薬
2 抗不安薬
3 気分安定薬
4 睡眠薬
5 選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI)

おお, これも比較的簡単な問題です。薬物の副作用については結構覚えるのが大変なのですが, 生活に大きな影響を与えるものなので, 精神保健福祉士としては是非知っておきたい問題です。

選択肢1 正答。抗精神病薬の副作用には, 錐体外路症状 (パーキンソン症状)やアカシジア (落ち着かずそわそわする), 遅発性ジスキネジア (舌が動くなどの不随意運動), 悪性症候群などが認められます。

選択肢の内容は, 錐体外路症状の中のパーキンソン症状にぴったりあてはまるのでこれが正答で間違いないと思います。

選択肢2 誤り。抗不安薬としては, ベンゾジアゼピン系が最もよく使われています。抗精神病薬がメジャートランキライザーと言うのに対し, マイナートランキライザーとも言われ, 作用時間が短い一方, 症状を安定させるために使用され, 病気そのものの治療を行うものではありません。副作用は比較的小さいとされていますが, 一過性の健忘, 眠気, 倦怠感・脱力感などが挙げられます。また, 長期高容量の服用によって依存性やリバウンド減少が起こる事もあります。

選択肢3 誤り。気分安定薬とは, 躁状態とうつ状態の治療に効果のある薬 (いわゆる気分障害に適応のある薬物) でムードスタビライザーとも言われます。うつ状態に関する薬物としては, 三環系抗うつ薬・四環系抗うつ薬・SSRI・SNRIなど, 躁状態に対しては, リチウム , バルプロ酸, カルバマゼピンなど処方されます。それぞれの作用や副作用については, 試験にも出題されますし, 実際の現場でも適切な知識が必要とされていると思います。気分安定薬は大きなくくりなので, 副作用を全てここでは記載しませんが, 一応覚えておいたほうがいいと思います。こちらこちらのページがおすすめですね。

選択肢4 誤り。睡眠薬の副作用で最も, 一般的なのは翌日のふらつきなどですね。睡眠薬について今後試験に出題されやすいのは, 作用する時間でしょうか。例えば, 超短時間作用型や長時間作用型など。。こちらのページが分かりやすかったです。

選択肢5 誤り。選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) とは抗うつ薬の一種で, シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状の改善を目指す薬です。従来型の抗うつ薬と比較的副作用が少ないと言われていますが, セロトニン症候群, 賦活症候群などが認められています。

では今日はこれまでー。

 

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