第26回-精神専門10

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問題 10 精神療法と関係の深い概念に関する次の組み合わせのうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1  家族療法—絶対臥褥
2 支持的精神療法—洞察
3 森田療法—システム論
4 認知行動療法—コーピング
5 自由連想法—オペラント条件づけ

治療技法に関する問題です。昨年のこちらの問題とかなり被っているので解けた人も多いのではないでしょうか?ただ, 最後の二択でずいぶん悩む問題だと思います。しかし, また森田療法が出題されましたね。昨年3カ所, 今年は2カ所。。

選択肢1 誤り。家族療法は, ここでいうとシステム論と対になるのではないでしょうか。家族を一つのまとまりをもったシステムとみなし, その家族システムを治療の対象にするのが家族療法です。システム論の立場でいう患者は, 家族システムの病理を代表して, 症状や問題を表している家族メンバーという意味で「患者の役割を担う人 (IP)」と言います。ちなみに, 絶対臥褥は森田療法の第一期で, ただベッドに伏して食事と排泄以外の一切の行動を取らず1週間程度を過ごすという時期ですね。

選択肢2 誤り。これは悩みました。支持的精神療法は, 支持的な態度と傾聴によって, 不安等を軽減することを主眼とした治療法です。この治療法では, 無意識的葛藤やパーソナリティの問題には深く立ち入らないことを原則としているので, 「洞察」は間違っていると思います。これは自由連想法と対になる回答ですね。

選択肢3 誤り。これは選択肢1の解説を参考にしてください。

選択肢4 正しい。認知行動療法とは, 認知 (ものの受け取り方や考え方と) に働きかけて気持ちを楽にする精神療法の一種です。代表的な治療法にはSST があります。コーピングとは, 対処行動とも言われます。自分の認知を把握して, ストレスに対してのコーピング技法を学んでいきのが認知行動療法の基本ですね。

選択肢5 誤り。オペラント条件づけは行動療法と対になります。自由連想法は, 選択肢3の「洞察」とセットになると思います。

さて一科目目終了!!まだまだ先は長い。。

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