第26回-精神専門12

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問題 12 災害や事故で家族を突然亡くした遺族に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 遺族が悲しみから立ち直るのを助けるケアが, 緩和ケアである。
2 遺族の悲嘆反応には, 身体症状を含む。
3 死別直後に遺族が悲しみなどの感情を表出しないときは, 医学的介入が必要である。
4 遺族が自助グループで自分の話を聞いてもらうことは, 不適切な援助である。
5 遺族への支援を続けるうちに, 支援者が自らの心に傷を受けることを, フラッシュバックという。

この問題はサービス問題ですね。

選択肢1 誤り。WHOによると, 「緩和ケアとは, 生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して, 疾患の早期より痛み, 身体的問題, 心理社会的問題, スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価をおこない, それが障害とならないように予防したり対処したりすることで, クオリティー・オブ・ライフを改善するためのアプローチである。」としています。

選択肢2 正答。こちらを参考にしてください。親しい人を亡くすと, 悲しみや思慕などさまざまな気持ちが表れます。もちろん, 情緒的な反応が大きく認められますが, 身体的な不調などが現れることもあり得ますね。

選択肢3 誤り。これはどうでしょうか。特に急性期の悲嘆反応などは感情が麻痺して, つらいとか悲しいという感情がわいてこない, 涙も出ないという状態でもあるので, 直ちに医学的介入というと少し仰々しい感じがしますね。

選択肢4 誤り。同じ状況に置かれているもの同士でピアカウンセリング的な効果も期待できます。自助グループは遺族の回復のためには有効な社会資源だと思います。

選択肢5 誤り。選択肢の内容は, セカンダリトラウマティックストレスの説明だと思います。

今日はここまでー。

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