第26回-精神専門17

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おっと, 昨日は予約更新がうまくいってなかったみたい。。ということで今日は2問がんばってみます。

問題 17「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 ひきこもりの支援は, 背景にある精神障害に対する特異的な支援, 思春期の自立過程の挫折に対する支援の2つで構成される。
2 ひきこもりとは, 様々な要因の結果として社会的参加を回避し, 原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す。
3 義務教育課程で不登校を経験した者の約7割が, 青年期のひきこもりに移行する。
4 地域若者サポートステーションは, アウトリーチによるひきこもり支援を行う医療機関である。
5 ひきこもりの準備段階では, 本人の激しい葛藤が顕在化し, 家庭への暴力行動が頻回に認められる。

引きこもりに関する問題です。精神保健っぽい問題で今後も出題される可能性があるので, しっかり見直しておきましょう。原文はこちら

選択肢1 誤り。ガイドラインによると, 引きこもり支援の多次元モデルでは, 第一の次元として, 背景にある精神障害者に特異的な支援, 第二の次元として家族を含むストレスの強い環境の修正や支援期間の掘り起こりなど環境的条件の改善, 第三の次元として, 引きこもりが意味する思春期の自立過程の挫折に対する支援が挙げられています。選択肢は第二の次元について述べられていません。こういう問題は自信が持てないですが, な文章全体になにか怪しげな雰囲気がありますので, なんとなく選択肢から外せた人も多いのではないでしょうか?

選択肢2 正しい。引きこもりの定義として「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し,原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」としています。この6ヶ月という数字は今後も出題される可能性がありそうです。

選択肢3 誤り。不登校経験者の予後に対する具体的な数字についてはその条件や分析方法によってずいぶんと異なるとは思うのですが, さすがに7割が引きこもりというのは行き過ぎだと思います。ただ, 省庁等の出す数字をいたずらに信じるのもちょっとなあとも思います。試験には直接関係ありませんが, こちらのページは参考になりました。

選択肢4 誤り。地域若者サポートステーションでは, 働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者に対し, キャリア・コンサルタントなどによる専門的な相談, コミュニケーション訓練などによるステップアップ, 協力企業への就労体験などにより, 就労に向けた支援を行っています。厚生労働省が認定した全国の若者支援の実績やノウハウのあるNPO法人, 株式会社などが実施しており, 平成25年度は全国160か所に設置されています。これはひきこもり対策のためのアウトリーチというよりもニート問題への対策がメインとなっています。

選択肢5 誤り。引きこもりの段階についてはこちらのページが参考になりました。引きこもりは, 準備段階→開始段階→引きこもり段階に分類されます。準備段階では, ひきこもり当事者の内面では葛藤がありますが, 症状はあったとしても身体症状, 不安, 緊張の高まり, 抑うつ気分などの一般的な症状となります。

今日はここまでー。

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