第26回-精神専門24

Pocket

問題 24ソーシャルワーク理論の代表的な人物とキーワードに関する次の組み合わせのうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 ロビンソン—状況の中にある人
2 ホリス—課題中心アプローチ
3 ゴードン—4つのP
4 ジャーメイン—問題解決アプローチ
5 マイヤー— エコシステム理論

これも覚えておけば解けるサービス問題ですね。例年よく出題されるのでしっかり覚えておきましょう。ただ, ちょっと今年は記号的な問題が多いですねえ。ソーシャルワーク理論の考え方ではなく, 単語帳で覚えた内容を問う問題だと思います。これでどれだけソーシャルワーカーの資質を問うことができるんだろうなあ。暗記力がソーシャルワーカーの必須事項なのかなあ。

選択肢1 誤り。ロビンソンは, 機能主義ケースワークの流れを汲み『ケースワーク心理学の変遷』を著した人です。機能主義ケースワークは, 利用者による「主体的な問題解決」を援助者がそれぞれの「機関の機能」を代表して援助する姿勢を示します。

『状況の中の人』は診断主義ケースワークホリスによって提唱されたものです。診断主義ケースワークは, 利用者がどのような問題を抱えているのかを利用者の生育過程の分析によって診断し, 利用者を治療しようとしたもので, 両者のケースワークの立場は大きく異なっていると思います。

選択肢2 誤り。ホリスについては, 選択肢1の解説を参考にしてください。課題中心アプローチは, リードやエプスタインによって提唱された援助モデルです。クライアントの訴える問題を中心に利用者と援助者が協力して解決しやすい方法を探り, その課題の遂行状況をモニターし評価する手順を明確にしたのが特徴です。

選択肢3 誤り。4つのPはパールマンですね。パールマンは, Person(利用者), Problem(問題), Place(施設・機関), Process(援助過程) を4つのPとしました。後に, 専門家 (Professional person), 制度・対策(provisions)」の2つのPが追加されています。

ゴートンは人と環境とが出会う場に着目し, そこで生じている人と環境の交互作用に焦点を当てることを提唱しました。つまり, 個人の成長が環境の改善によって促進しうることを重視したと言えます。この考え方は, 後の生活モデルに大きな影響を与えています。

選択肢4 誤り。ジャーメインエコロジカルアプローチで有名ですね。エコロジカルアプローチでは, 人が生活環境と共存するための能力をコーピング, 環境が人間のニーズに適応することをレスポンスと呼び,
コーピングとレスポンスの過不足が問題行動であると考えました。

問題解決アプローチは, 4つのPのパールマンによって提唱されました。パールマンは個別援助は援助者と利用者とがそれぞれの役割を演じる問題解決過程であるとし, 利用者がサービスや援助を自分にとって
どれだけ役立てられるというワーカビリティという考え方も提唱しています。

選択肢5 正答。マイヤーのエコシステム論は, 生活主体者である個々人が他者や環境と望ましい相互関係を樹立し, 主体的視点を尊重されて自己実現が可能になるという理論です。

ふむ。今日はここまでー。

 

カテゴリー: 第26回精神専門科目, 精神保健福祉相談援助の基盤 パーマリンク